植物性、天然由来の薬剤は色素沈着の治療に有効か

提供元:ケアネット

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公開日:2013/12/19

 

 米国・カリフォルニア大学のWhitney A. Fisk氏らは、皮膚色素沈着に対して使用される植物性薬剤(botanically derived agent)について、臨床所見を見直すことを目的にシステマティックレビューを行った。色素沈着障害に対する治療は、皮膚科医やプライマリ・ケア医の日常診療で求められることが多い。そうしたなかで、薬用化粧品やナチュラルプロダクトの産業が急速に成長しており、多くの植物性薬剤が、色素沈着障害を改善するとうたっていることから本検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年11月23日号の掲載報告。

 研究グループは、MEDLINE、Embaseのデータベースを検索し、包含基準を満たした26本の論文を特定した。各論文の研究方法を分析し、試験の再現性を基準に等級分けをした。

 主な結果は以下のとおり。

・いくつかの植物性薬剤は治療オプションとして有望のようにみられた。しかし方法論的に厳密に行われた試験がほとんどなかった。
・いくつかの植物エキスとフィトケミカル(phytochemical:植物中に存在する天然の化学物質)が、紫外線照射によって引き起こされた表皮のメラニン沈着および色素沈着を、明るくする効果があった。
・老人性色素斑(日光黒子)あるいは皮膚色素沈着に対する治療の結果は混同していた。
・厳密にデザインされた試験がなかったため、検討された結果を確認するためのさらなる検討が行われることが重要である。
・治療に反応しにくい皮膚色素沈着では、色素沈着のサブタイプが治療効果に関して重要であることが示唆された。
・植物エキスは、色素沈着の治療を統合するような役割を有する可能性があった。標準治療との統合についてさらなる検討が必要であることが示唆された。
・また著者は、「植物性薬剤を用いた治療を検討する際は、色素沈着が悪化するなど副作用について検討すべきである」とも指摘した。

(ケアネット)