糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:135

1型糖尿病の血糖コントロールに持続血糖測定が有効/JAMA

 頻回インスリン注射(MDI)で血糖コントロールが不良な1型糖尿病患者において、持続血糖測定(CGM)を用いた治療は従来の治療に比べ、良好なヘモグロビンA1c(HbA1c)の改善をもたらし、患者の満足度も高いことが、スウェーデン・ウッデバラ病院のMarcus Lind氏らが行ったGOLD試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年1月24・31日号に掲載された。MDIおよび持続皮下インスリン注入療法(CSII)による強化インスリン療法は、1型糖尿病の合併症を予防、抑制することが報告されている。一方、CGMシステムは、皮下に留置したセンサーで測定したデータを送信機で携帯モニタに送り、患者はグルコースの値を連続的に知ることができるため、インスリン用量の最適化に資するという。

中国の糖尿病患者は全死亡率2倍~51万人7年間の前向き研究/JAMA

 ここ数十年で中国の糖尿病有病率が急激に上昇しているが、これまで糖尿病に関連する超過死亡の信頼し得る推定データはなかった。英国・オックスフォード大学のFiona Bragg氏らは、中国の都市部と地方から集めた成人約51.3万例を7年間前向きに追跡した研究で、糖尿病と超過死亡との関連を調査。その結果、中国において糖尿病が、心血管系に限らず幅広い疾患別死亡率増大と関連していること、また、有病者は都市部のほうが多いが、超過死亡との関連は地方のほうが強いことを明らかにした。JAMA誌2017年1月17日号掲載の報告。

アジア人で眼圧上昇と血糖降下薬の関連を示唆

 眼圧は全身薬物療法と関連しているのだろうか。シンガポール・国立眼科センターのHenrietta Ho氏らは、中国人、インド人およびマレー人を対象としたシンガポール眼疾患疫学研究の事後解析を行い、β遮断薬は眼圧低値と、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、スタチンおよびスルホニル尿素(SU)薬は眼圧高値と関連が示唆されることを明らかにした。

前糖尿病スクリーニング、HbA1c・空腹時血糖値は有効か/BMJ

 2型糖尿病に進行するリスクが高い前糖尿病状態のスクリーニングとして、HbA1cは感度も特異度もどちらも不十分であり、空腹時血糖値は特異度が高いものの感度が低いことが示された。英国・オックスフォード大学のEleanor Barry氏らが、前糖尿病状態のスクリーニングと介入に関するシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにした。前糖尿病患者を対象とした試験で、生活習慣病の評価やメトホルミンが2型糖尿病の発症を遅延または予防する可能性が示唆されていたが、前糖尿病状態をどう定義し検出するのが最も良いかについて統一した見解はこれまでなかった。著者は、「スクリーニングは不確かであり、不必要な予防的介入を受ける患者や、逆に必要であるにもかかわらず介入を受けていない患者が多くいるかもしれない」と指摘した上で、「早期発見・早期治療の方針は、糖尿病のハイリスク者すべてに有効というわけではなく、この方針だけでは2型糖尿病の世界的流行に実質的な影響はないだろう」とまとめている。BMJ誌2017年1月4日号掲載の報告。

米国で医療費が最も高い疾患は?/JAMA

 米国の1996~2013年の医療費の推移について、病態ごとに調査し推定額を算出したところ、2013年に最も高額だったのは糖尿病の治療費で約1,014億ドル(うち57.6%が薬剤費、外来医療費は23.5%)で、2番目は虚血性心疾患で881億ドル、3番目は腰部・頸部痛876億ドルだった。一方で各年の医療費は、患者の状態や治療の種類で異なることも明らかになったという。米国・ワシントン大学のJoseph L Dieleman氏らが、政府予算や保険請求支払データなどを基に分析し報告した。米国の医療費は増大を続けており、現在米国経済の17%超を占める。しかし、病態ごとにどれほどの支出があるのか、年齢別や経時的な変化はほとんど明らかになっていなかった。著者は、「今回の調査結果は、米国の医療費の支出コントロールに効果的に用いられるであろう」と述べている。JAMA誌2016年12月27日号掲載の報告。

新たな人工膵臓システム、日常生活下で有用/Lancet

 1型糖尿病成人患者への新たな連続血糖測定(CGM)付きインスリンポンプの安全性と有用性について、自由生活下で検討した多施設共同無作為化クロスオーバー比較試験の結果が発表された。米国・ボストン大学のFiras H El-Khatib氏らが検討したのは、iPhone 4SとG4 Platinum CGMを連動させた人工膵臓システムで、体格の情報のみで初期化し、インスリンおよびグルカゴンを自動投与する。既存のセンサー増強型インスリンポンプとの比較において、カーボカウントの食事療法を要することなく優れた血糖コントロールを達成したことが示された。CGM付きインスリンポンプについて、これまで、自宅で自由に生活しながらという設定で安全性・有効性を調べる臨床試験は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。

飽和脂肪酸の不飽和脂肪酸による置換は冠動脈疾患リスクを低下させる!(解説:島田 俊夫 氏)-631

私たちは、炭水化物、脂肪、タンパク質と少量のミネラル、ビタミンを摂取することによりエネルギーを獲得している。しかしながら、炭水化物の過剰摂取と運動不足が糖尿病・肥満の主要因になっている。糖質制限は治療上重要だが、適切な供給カロリーを維持するためには炭水化物以外の栄養素からエネルギーを獲得することが必要となる1)。1g当たりの産生カロリーは、炭水化物4kcal、脂肪9kcal、タンパク質4kcalのエネルギーを産生する。単純計算から、糖質制限食は代替エネルギーを脂肪またはタンパク質から取らざるを得ない。

AIの画像診断能、糖尿病網膜症の検出で確認/JAMA

 成人糖尿病患者の網膜基底部の画像評価について、ディープラーニングをベースとした診断アルゴリズムは、糖尿病網膜症の検出に関し、高い感度、特異度を示したことを、米国・Google社のVarun Gulshan氏らが発表した。ディープラーニングは、コンピュータアルゴリズムのプログラムに、自身で膨大な症例から学び適切な行動を示すことを容認する人工知能(AI)技術の1つで、プログラムに明確なルールを記述する必要がない。研究グループは、この技術を医学画像診断に適用できるか、評価と検証試験を行った。JAMA誌オンライン版2016年11月29日号掲載の報告。