消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:91

FoundationOne CDx、エヌトレクチニブのコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2019年6月27日、遺伝子変異解析プログラムFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルに関し、ROS1/TRK阻害剤エヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)のNTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対するコンパニオン診断としての使用目的の追加について、6月26日に厚生労働省より承認を取得したと発表。FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、NTRK融合遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3遺伝子と他の遺伝子の融合遺伝子)を検出することにより、エヌトレクチニブの適応判定補助を行う。エヌトレクチニブは、成人および小児の NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対する治療薬として本年6月18日に承認を取得している。

終末期患者における口腔ケアの必要性

 「最期まで口から食べたい」の思いに応えようと、終末期の口腔ケアは最近のトピックの1つになっている。イタリア・Antea Palliative Care UnitのCaterina Magnani氏らは、ホスピスの入院患者を対象に口腔ケアの影響を調査し、患者は口腔内の変化が多く、その機能が部分的に障害され生活の質が低下していること、そして標準的な口腔ケアは手短に実施可能で、口腔の状態、症状および患者の快適さが改善したことを明らかにした。検討が行われた背景には、「緩和ケアでは口腔の問題がしばしばみられ、口腔顔面痛、味覚障害および口内乾燥など日常生活に支障を来す症状が引き起こされており、口腔ケアが不可欠だが、さまざまな複雑な患者のニーズを管理しなければならないときは優先事項と見なされないことが少なくない」との問題意識があったという。

がん専門病院が取り組む、漢方療法の最前線

 漢方薬は、エビデンスの少なさや体質や症状に応じた選択の難しさなどから処方を敬遠する医師も少なくない。神奈川県立がんセンターは、重粒子線治療施設を備えた都道府県がん診療連携拠点病院であり、なおかつ漢方サポートセンターを持つという、全国でも珍しい存在だ。2019年6月6日に行われた「漢方医学フォーラム」(漢方医学フォーラム主催)では、同院の東洋医学科部長の板倉 英俊氏が、がん治療における漢方に関する取り組みと症例を紹介した。

StageII大腸がんの予後予測因子としての簇出(SACURA試験)/JCO

 Stage II大腸がんにおける術後補助化学療法の有効性を検討したSACURA試験(主任研究者:東京医科歯科大学 杉原 健一氏)の付随研究として、簇出(budding)の予後予測因子、補助化学療法の効果予測因子としての有用性を評価した解析結果を、防衛医科大学校の上野 秀樹氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年6月10日号に掲載。簇出は、国際対がん連合(UICC)が腫瘍関連の予後因子として挙げている因子であり、2016年のInternational Tumor Budding Consensus Conference(ITBCC2016)において国際的評価基準が定義された。

光免疫療法、局所再発頭頸部がんで良好な成績/ASCO2019

 複数の前治療歴を有する局所再発頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者を対象に、RM-1929による光免疫療法の安全性と有効性を評価した第IIa相試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表された。RM-1929は、抗EGFR抗体セツキシマブと光により活性化される色素(IRDye(R)700DX)の複合体。体内に注入されるとがん細胞と結合し、非熱性赤色光を照射することで局所的に活性化され、周辺細胞の損傷を最小限に抑えながら、がん細胞を選択的・迅速に壊死させる。

終末期14日間の化学療法、5%未満に減少/JCO

 終末期(end of life、以下EOL)がん患者の積極的治療について、わが国でも高齢者においては中止を支持する機運が醸成されつつあるのではないだろうか。米国ではEOL化学療法は、最も広く行われている、不経済で、不必要な診療行為として、ベンチマーキングで医師のEOL14日間の化学療法使用を減らす取り組みが行われている。その結果、同施行は2007年の6.7%から2013年は4.9%に減少したことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのPenny Fang氏らによる調査の結果、明らかになった。著者は、「首尾よく5%未満に減少した。この結果を現行のEOLオンコロジー戦略に反映することで、さらに高レベルのEOLの実践が期待できるだろう」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年5月29日号の掲載報告。

肝細胞がん、ソラフェニブ治療後のラムシルマブの有効性(REACH、REACH-2)/ASCO2019

 ソラフェニブは現在、転移を有する肝細胞がんの標準治療であるものの、ソラフェニブに不耐症例のための新たな薬剤が必要とされている。また、αフェトプロテイン(AFP)が上昇した進行期肝細胞がんは予後不良である。マウントサイナイ医科大学のJosep M Llovet氏らは、ソラフェニブ治療後の進行期肝細胞がん患者の2次治療としてラムシルマブを投与した第III相臨床試験であるREACHとREACH-2のプール解析結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で報告。AFP400ng/mL以上の進行期肝細胞がんでのラムシルマブの忍容性は高く、有害事象による治療中断は低率であった。

PPI服用、心血管疾患・CKD・上部消化管がんの過剰死亡と関連か/BMJ

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の服用は、心血管疾患・CKD・上部消化管がんに起因する過剰死亡と少なからず関連することが明らかにされた。米国・セントルイス退役軍人ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによる長期観察コホート研究の結果で、BMJ誌2019年5月29日号で発表した。著者は「結果はPPI服用への警戒感を高めることを支持するものだった」とまとめている。これまでに、PPI服用は重篤な有害事象と関連しており、全死因死亡リスクを増大することが報告されていた。

ペムブロリズマブ、進行肝細胞がん2次治療での最新結果(KEYNOTE-240)/ASCO2019

 進行肝細胞がん(HCC)2次治療におけるペムブロリズマブの有用性を評価した第III相試験KEYNOTE-240の最新結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で米国・カリフォルニア大学のRichard S. Finn氏により発表された。同患者に対するペムブロリズマブは、第II相試験KEYNOTE-224の結果に基づき、2018年11月にFDAが迅速承認している。  KEYNOTE-240は、ペムブロリズマブとBest Supportive Care(BSC;最善の支持療法=疼痛管理のほか、腹水などの合併症対策など、各医療機関の標準治療)の併用による、既治療の進行HCC患者を対象とした二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験。