総合診療科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:15

意識が飛ぶほどの痛みも。診断に数年かかった身近な疾患

 とくに日本において、病気としての社会的認知度が極めて低く、「さぼっている」「精神的なもの」というレッテルを貼られがちな疾患がある。女性の12.9%、男性の3.6%が抱える神経性の疾患でありながら、その認識の低さにより受診率が低く、患者の半数以上が市販の鎮痛薬にのみ頼っている。1月29日、「『健康経営』の新たな視座 働き世代の女性が苦しむ片頭痛への理解」と題したメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催された。本稿では、坂井 文彦氏(埼玉国際頭痛センター)、五十嵐 久佳氏(富士通クリニック)のほか、女性患者による講演の内容をレポートする。

COVID-19、無症状でもウイルス量は発症者と同等/NEJM

 中国・広東省疾病管理予防センターのLirong Zou氏らが、COVID-19の患者18例について、鼻と喉から採取したサンプルを調べたところ、鼻で高いウイルス量が検出され、ウイルスの広がり方は、ゲノム配列が類似しているSARS-CoVよりもインフルエンザに近いことがわかった。NEJM誌オンライン版2020年2月19日号CORRESPONDENCEでの報告。  本研究では、中国・広東省珠海市で新型コロナウイルス陽性と確認された患者18例について、無症状であった1例を除く17例の鼻腔スワブ72本と咽頭スワブ72本から検体を採取。発症日とウイルス量の相関を連続的にモニタリングした。

日本人COVID-19の特徴、診療第一線医師が語る

 2月13日、「新型コロナウイルス(COVID-19)感染症への対応」と題したメディア・市民向けセミナーが開催された。感染症専門医4名が対応策について講じ、そのなかで、忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症対策室医長)は、今回の日本で明らかにされた臨床像の特徴として、「発症から数日~1週間くらい『かぜ』のような症状が続き7割くらいの症例で肺炎を伴う、肺炎症例では胸膜下のすりガラス影~浸潤影が見られる」などの特徴を述べた(主催:日本感染症学会、日本環境感染学会、FUSEGU2020)。

“勤務医の労働時間通算”に、現場の半数が反対

 厚生労働省は、医師の働き方改革の推進に関する検討会において、複数の医療機関で勤務する医師の労働時間を通算し、上限を規制する取りまとめ案を出している。これを受け、日本医師会は「医師の副業・兼業と地域医療に関する日本医師会緊急調査」を行った。アンケートは、全国の病院8,343施設を対象にWebで行われ、3,713施設(44.5%)から回答を得た。

米国2019-nCoV感染1例目、発熱・咳症状9日目に肺炎/NEJM

 中国・湖北省武漢市でアウトブレークが始まった新型コロナウイルス「2019-nCoV」は、瞬く間に拡大し複数の国で新たな感染例の確認が報告されている。米国疾病管理予防センター(CDC)のMichelle L. Holshue氏らは、2020年1月20日に米国で確認された1例目の感染例について、疫学的および臨床的特徴の詳細をNEJM誌オンライン版2020年1月31日号で発表した。その所見から、「本症例で鍵となるのは、パブリックな注意喚起を見た後に患者が自発的に受診をしたこと、患者の武漢市への渡航歴を地域の医療提供者および郡・州・連邦の公衆衛生担当官が共有し、感染拡大の可能性を認識して、患者の迅速な隔離と検査および入院を許可したことだ」と述べ、「本症例は、急性症状を呈し受診したあらゆる患者について、臨床家が最近の渡航歴または病人との接触曝露歴を聞き出し、そして2019-nCoVのリスクがある患者を適切に識別し迅速に隔離して、さらなる感染を抑制する重要性を強調するものである」とまとめている。

新型肺炎を「COVID-19」と命名、ワクチン開発には18ヵ月か/WHO

 WHO(世界保健機関)は2月11日、スイス・ジュネーブの本部で開いた記者会見で、中国・武漢市を中心に、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症について「COVID-19」と命名し、ワクチンの開発には18ヵ月かかるという見通しを示した。  COVID-19を巡っては、中国国内だけでも4万2,708人の確定症例、1,000人超の死者が報告されており、中国以外では24ヵ国で393例の確定症例、1人の死亡が確認されている(すべて11日6時現在)。各国でワクチンや治療薬の研究が進められており、WHOでは11日から2日の日程で、世界から400人以上の科学者を集めて治療やワクチン開発に関する会議を開催している。

武漢以外の新型コロナウイルス感染患者の臨床的特徴/JAMA

 新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染患者の臨床症状について、健康人集団や武漢以外の患者について、まだあまり報告されていない。中国・北京の中国人民解放軍総医院のDe Chang氏らは、北京市内の病院に入院し2019-nCoV感染が確認された13例の初期の臨床的特徴を、JAMA誌オンライン版2020年2月7日号のリサーチレターに報告した。  著者らは、中国・北京にある3つの病院に2020年1月16~29日に入院した患者(北京清華長庚医院8例、首都医科大学附属北京安貞医院4例、中国人民解放軍総医院1例)を、2月4日まで調査した。2019-nCoV感染の可能性がある患者は入院・隔離し、咽頭スワブのサンプルを収集して中国疾病管理予防センターで2019-nCoVについて定量的PCRアッセイを用いて調べた。また、胸部レントゲンもしくは胸部CT検査を実施した。診断された患者は専門病院に移送した。

新型コロナウイルス肺炎41例の臨床的特徴(解説:小金丸博氏)-1186

論文に対するコメント:2019年12月に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)による感染症が世界中に拡大しつつあり、本稿執筆時点(2020年2月4日)で確定患者は2万人を超え、そのうち約400人が死亡したと報告されている。そんな中Lancet誌オンライン版(2020年1月24日号)より、2020年1月2日までに新型コロナウイルス肺炎で入院となった41例の患者背景、臨床症状、臨床経過、放射線画像検査の特徴などが報告された。結果の概要は以下のとおりだが、今回の報告は肺炎を発症し入院となった重症患者のまとめであり、自然軽快する軽症例は含まれていないことに留意しながら結果を解釈する必要がある。

新型コロナウイルス、ドイツで無症候性接触者からの感染症例/NEJM

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(2019-nCoV)を巡り、無症状の潜伏期間中に接触者へ感染を広げるケースが相次いで報告されている。ドイツ・ミュンヘン大学医療センターのCamilla Rothe氏ら研究グループが、ドイツ国内で報告された、直近に渡航歴のないビジネスマンが無症候の初発患者から感染したとみられる症例を報告した。NEJM誌2020年1月30日号オンライン版に掲載。  報告症例は、1月29日に2019-nCoV陽性反応が確認されたドイツ人男性(33歳)について。