総合診療科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:14

新型コロナの嗅覚・味覚障害、主症状前に出現か

 嗅覚障害および味覚障害がウイルス感染と関連するのは周知の事実である。2020年3月、米国で新型コロナウイルス感染症における味覚・嗅覚障害の報告がなされた。その後、この症状を訴える患者が日本でも確認され、症状出現に敏感になっている患者も多いのではないだろうか。  今回、伊・ミラノの保健所ASST-FBF-SaccoのAndrea Giacomelli氏らが伊・L.Sacco病院で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と診断された患者の一部に、嗅覚および味覚障害(OTDs:olfactory and taste disorders)が出現したことを明らかにした。また、研究者らは「OTDsはSARS-CoV-2感染患者で頻繁に見られ、本格的な臨床症状(発熱、咳嗽など)の発症に先行する可能性がある。非特異的ではあるが、パンデミックの状況では病院に入院していない感染患者の臨床的スクリーニングツールになる」としている。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版3月26日号掲載の報告。

COVID-19の診療情報特設サイトを開設/日本プライマリ・ケア連合学会

 日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、4月1日に同連合学会のホームページ上で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療所・病院におけるプライマリ・ケアのための情報サイト」を開設した。  特設サイトでは、COVID-19に関する臨床診療で必要な最新情報が網羅されている。  主な内容は下記の通りであり、診療の合間などに参照していただきたい。

COVID-19、軽症者の増悪時にみられた所見―自衛隊中央病院

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から搬送された、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者104例について、2020年3月24日、自衛隊中央病院がその経過と得られた知見をホームページ上で公開した。CT検査所見の特徴、重症化や他疾患との鑑別におけるマーカーとしての各検査値の有用性など、これまでに報告されている事項をふまえ、自院での症例について考察している。

COVID-19、抗体検出は発症2週間後からか/感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染が拡大する中、検査時の二次感染リスクが低い抗体検査への期待が高まっている。しかし、その感度・特異度に関する報告は限られており、臨床現場での利用の仕方や結果の解釈について見解は定まっていない。国立感染症研究所では、市販のイムノクロマト法による抗体検出試薬による、発症後日数ごとの抗体陽性率を調査。その結果をホームページ上で公開した。 <調査概要> 検体:SARS-CoV-2遺伝子増幅法により確定された、COVID-19患者血清の残余検体(37症例・87検体) 使用試薬:市販のイムノクロマト法による抗体検出試薬(A社製)  発症後日数※1ごとのの抗SARS-CoV-2 IgM,、IgG抗体陽性率は以下のとおり。

新型コロナ肺炎、その他の肺炎と比較した臨床的特徴

 新型コロナ(2019-nCoV)肺炎とその他の肺炎の臨床的特徴に関する比較研究が行われ、新型コロナ肺炎では肝機能障害の発生頻度が高く、またLDHおよびα-HBDHの値がマーカーとなる可能性が示唆された。中国・安徽医科大学のDahai Zhao氏らによる、Clinical Infectious Diseases誌オンライン版3月12日号掲載の報告。2020年1月23日から2月5日まで、中国・安徽省の2病院において、19例の新型コロナ肺炎患者と15例の非新型コロナ肺炎患者が登録された。1日おきに咽頭スワブまたは喀痰検体が採取され、リアルタイムRT-PCRにより2019-nCoV感染の有無が確認された。非新型コロナ肺炎患者については、入院後7日間での3回の連続的なリアルタイムRT-PCRで陰性だった場合に、確定された。

新型コロナ、無症状感染者の陰性化には9日間か―藤田医科大の症例報告

 国内における多くの新型コロナウイルス感染症の患者を出したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗員・乗客で、症状はないもののPCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された人(無症状病原体保有者)および感染者との濃厚接触歴が確認された人(濃厚接触者)を受け入れた藤田医科大学病院岡崎医療センター(愛知県岡崎市)が3月13日、このうち90例について日本感染症学会ホームページで経過を報告した。それによると、3月6日夜の時点で、90例中87例において2回連続のPCR陰性が確認された。初めて陽性と確認された日から起算して、陰性化に要した日数の中央値は9日(四分位範囲:6~11日、範囲:3~20日)であった。

現場に即した新型コロナ対策シンポジウムを配信/ファイザー

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供の一環として、3月23日(月)、31日(火)に医療者向けインターネットシンポジウムを開催する。両日とも、現場の第一線で活躍する忽那 賢志氏らが講演を行う予定で、同社の無料会員制サイト『PfizerPRO』から視聴可能である。  詳細は以下のとおり。 (1)COVID-19セミナー 現場に届け、緊急新型コロナ対策  演題名:「新型コロナ:今分かっている事、出来る事」

COVID-19への初期診療の手引きが完成/日本プライマリ・ケア連合学会

 日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、3月11日の同連合学会のホームページ上で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」を公開(ダウンロード可能)した。  本手引きは、病院などの療資源の制限されたセッティングでの診療を想定し、理想的な感染管理と現実との間の妥協点の例を案として示すことを目的として、同連合会の予防医療・健康増進委員会の感染対策プロジェクトチームの監修で作成された。

COVID-19、入院時の発熱例は4割程度/NEJM

 発生から当初2ヵ月間に新型コロナウイルスへの感染が確認された1,099例の臨床的特徴を調べたところ、入院時に発熱が認められたのは43.8%にとどまり、また胸部CT検査で異常所見が認められたのは56.4%と、熱症状や肺の異常所見が認められない患者が多かったという。中国・広州医科大学のWei-jie Guan氏らによる調査報告で、NEJM誌オンライン版2020年2月28日号で発表された。なお本報告は3月3日に内容が更新されている。  研究グループは、2020年1月29日までに中国本土30の省・自治区等の病院552ヵ所に入院した、新型コロナウイルスへの感染が検査で確認された1,099例について、その臨床的特徴を調査した。

「屋内の閉鎖的空間でクラスター発生か」新型コロナ専門家会議が見解

 新型コロナウイルス感染症を巡り、国の専門家会議(座長:脇田 隆字 国立感染症研究所所長)は3月2日、厚生労働省の対策本部が分析した内容に基づき現時点の見解をまとめた。国内では、これまで感染者が出ていなかった自治体においても日々新たな感染者が確認され、拡大傾向が続いていると見られる。見解では、北海道のデータ分析などにより、重症化する割合が低い若年層から多くの中高年層に感染が及んでいること、屋内の閉鎖的な空間における濃厚接触が、クラスターの発生および感染の急速な拡大を招く一因になっていることなどを挙げた。