総合診療科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:28

プライマリ・ケアでの肺炎診断、症状と徴候による診断がベスト/BMJ

 プライマリ・ケアにおいて、急性の咳症状から肺炎を予測するには、軽度あるいは重度の患者では症状と徴候に基づくクリニカルルールが最も適していることが、オランダ・ユトレヒト大学医療センターのSaskia F van Vugt氏らによる検討の結果、示された。また、CRP>30mg/Lの至適カットオフ値の情報は診断情報を改善するが、プロカルシトニン(PCT)値は診断には役立たないことも示された。BMJ誌オンライン版2013年4月30日号掲載の報告。肺炎の診断については症状と徴候の精度を検討した試験はあるが、プライマリ・ケアでの適用のエビデンスは乏しかった。一方で、CRPやPCTの検査値を加味した場合の診断精度は不明であった。

脳卒中およびTIAのリスク評価に有効な新アルゴリズム「Q Strokeスコア」/BMJ

 英国・パーク大学のJulia Hippisley-Cox氏らは、脳卒中やTIA非既往の一般集団の同リスクを推定するための新たなアルゴリズム「Q Strokeスコア」を開発した。同スコアは、プライマリ・ケアで用いることを目的としたもので、従来のCHADS2などと比較検証した結果、より有効であることを報告した。特に抗凝固療法が必要となる可能性がある心房細動を有する患者においてリスクスコアを改善することが示された。今後は、プライマリ・ケアでの使用に値するのか費用対効果の検証が必要であるとまとめている。BMJ誌オンライン版2013年5月2日号掲載の報告より。

プライマリ・ケアにおける脊椎MRI検査、その意義に疑問符

 プライマリ・ケアで脊椎MRI検査の利用が増加しているが、MRI所見とその後の診療との関連についてはほとんど知られていない。カナダ・マックマスター大学/Institute for Clinical Evaluative SciencesのJohn J. You氏らは、プライマリ・ケアで脊椎MRI検査を受けた患者のうち半数近くが手術評価のため整形外科または神経外科に紹介されるが、その大半は手術を受けていないことを、後ろ向き研究により明らかにした。

米国内科医の総合医キャリア志向、顕著に減少/JAMA

 米国では、慢性疾患増大に伴うゼネラリストとしての内科医不足への懸念から、1970年代に内科プライマリ・ケアプログラムが設けられた。当初は最高90%のプログラム履修者がいたが、最近の調査では、総合医キャリア(general medical careers)を積み上げている内科レジデント卒業生は20~25%にとどまっており、学生にいたっては希望者はさらに少ないことが報告されているという。その状況を明確にするため、米国・メイヨークリニックのColin P. West氏らは、内科研修プログラム別およびレジデントの性別や地域(学校所在地)別でみた総合内科(general internal medicine:GIM)キャリアプランの実態を調べた。JAMA誌2012年12月5日号掲載より。

プライマリ・ケアでの肺塞栓症の除外、WellsルールとDダイマー検査の併用が有用/BMJ

 プライマリ・ケアでの肺塞栓症の除外診断において、Wellsルールとポイント・オブ・ケア診断としてのDダイマー検査を併用するアプローチは安全で効果的な方法であることが、オランダ・ユトレヒト大学医療センターのGeert-Jan Geersing氏らが実施したAMUSE-2試験で示された。原因不明の息切れや胸膜炎性胸痛は診断が困難な症状であり、これらの患者と最初に遭遇するプライマリ・ケア医は気道感染症などの自己管理が可能な一般的な疾患と、肺塞栓症のような生命を脅かす疾患を鑑別する必要に迫られる。WellsスコアとDダイマー検査の併用により、肺塞栓症が疑われる患者の約3分の1が安全に除外可能なことが分かっているが、プライマリ・ケアにおける有用性は検証されていなかったという。BMJ誌2012年10月27日号(オンライン版2012年10月4日号)掲載の報告。

プライマリ・ケア医の直感、子どもの重症リスクと関連

 両親の心配や子どもの様子を考慮したプライマリ・ケア医の直感的な対応が、子どもの病態の重症度の的確な判定に寄与していることが、英国・オックスフォード大学プライマリ・ケア保健科学科のAnn Van den Bruel氏らの検討で示された。プライマリ・ケアを受診する子どもの200人に1人の割合で、「見過ごされやすい重篤な疾患」に遭遇する可能性があるとされる。プライマリ・ケアにおける子どもの診療では、「何かおかしい」という臨床医の直感力が診断価値をもつと考えられているが、直感の根拠や病歴、臨床検査への付加価値は明らかではないという。BMJ誌2012年9月29日号(2012年9月25日号)掲載の報告。