血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:48

喫煙が日本人HTLV-1キャリアのATLL発症に関連

 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)キャリアにおいて、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の発症を予防する有効な方法はまだ同定されていない。今回、長崎大学原爆後障害医療研究所 近藤 久義氏らの研究により、わが国のHTLV-1キャリアにおいて、喫煙がATLL発症に影響を与える可能性が示唆された。Cancer causes & control誌オンライン版2016年7月13日号に掲載。

HSCT後の造血器腫瘍再発、イピリムマブが有効の可能性/NEJM

 同種造血幹細胞移植(HSCT)後に造血器腫瘍を再発した患者に対し、免疫チェックポイント阻害薬イピリムマブを投与することで、抗腫瘍効果が得られる可能性があることが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のMatthew S. Davids氏らが第I・Ib相臨床試験の結果、明らかにしたもので、NEJM誌2016年7月14日号で発表した。被験者のうち完全奏効が認められたのは、約2割だった。一方で免疫関連の有害事象を発症した人も約2割に上っている。

進行全身性肥満細胞症、midostaurinが有効/NEJM

 すでに進行した全身性肥満細胞症に対する、新規開発薬midostaurin(PKC412)の有効性が、米国・スタンフォードがん研究所のJason Gotlib氏らによる国際多施設共同の第II相非盲検試験の結果、確認された。対象被験者には致死率の高い異型肥満細胞白血病の症例も含まれていた。進行全身性肥満細胞症は、予後不良で有効な治療選択肢がないまれな造血器腫瘍を伴う。midostaurinは、疾患発症の主因子であるKIT D816Vを阻害するマルチキナーゼ経口阻害薬である。NEJM誌2016年6月30日号掲載の報告。

ホジキンリンパ腫、中間PET-CT結果による治療変更は有効か?/NEJM

 進行期古典的ホジキンリンパ腫の患者に対し、ABVD(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)療法2サイクル後に中間PET-CTを行い、その結果を基に治療をガイドしていくことは有効なのか。英国・サウサンプトン大学のPeter Johnson氏らが、1,214例の患者を対象に無作為化比較試験にて検討した。中間PET-CTの結果が陰性例について、ブレオマイシンを除いたAVD療法に変更した場合、ABVD療法の継続例と比較して、肺毒性発生率は低下し、有効性に有意な低下は認められなかったという。NEJM誌2016年6月23日号掲載の報告。