血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:54

ホジキンリンパ腫のABVD、BとDの除外は可能か/Lancet

 ドイツ・ホジキン研究グループ(GHSG)によるHD10試験では、早期ホジキンリンパ腫(HL)のfavourable risk例の治療として、ABVD(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)レジメンを2サイクル施行後に総線量20Gyの放射線区域照射(IFRT)を行い、5年生存率(OS)が96.6%、5年無治療失敗(freedom from treatment failure:FFTF)率は91.2%と良好な成績が得られている。一方、HL患者の治療関連副作用は30年以上持続するとの報告があり、さらなる安全性の改善が求められている。そこで、GHSGは、ABVDからのブレオマイシンとダカルバジンの除外の可能性の検討を目的にHD13試験を行った。研究の詳細はLancet誌オンライン版2014年12月21日号に掲載された。

エンテカビル、R-CHOP後のHBV関連肝炎を0%に/JAMA

 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)療法を受ける患者に対し、エンテカビル(商品名:バラクルード)の投与は同療法後のB型肝炎ウイルス(HBV)関連肝炎の予防効果が高いことが判明した。発生率は0%に抑制できたという。中国・中山大学がんセンターのHe Huang氏らが、第III相無作為化非盲検試験の結果、報告した。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。

乳がん術後化学療法後の骨髄新生物リスク

 早期乳がんに対する第1世代の術後補助化学療法による試験では、骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病の8年累積発症率は0.27%であった。しかし、フォローアップが十分になされていなかったため、その後の治療関連骨髄新生物のリスクを過小評価している可能性がある。今回、米国ジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キメル総合がんセンターのAntonio C. Wolff氏らが、全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)乳がんデータベースを用いた早期乳がんの大規模コホートで、骨髄新生物の発症頻度を調査した結果をJournal of clinical oncology誌オンライン版2014年12月22日号に報告した。

再発・難治性ホジキンリンパ腫に対するニボルマブの効果/NEJM

 再発・難治性ホジキンリンパ腫に対し、ヒト型抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ、本疾患には国内未承認)を投与することで、その87%に客観的奏効が認められたことが報告された。完全奏効は17%だった。米国・メイヨークリニックのStephen M. Ansell氏らが、23例の患者を対象に行った第I相臨床試験の結果、報告した。NEJM誌オンライン版2014年12月6日号掲載の報告より。

再発多発性骨髄腫へのカルフィルゾミブ上乗せ~第III相試験/NEJM

 多発性骨髄腫の再発例の治療において、カルフィルゾミブ(carfilzomib)を標準治療のレナリドミド+デキサメタゾン療法に加えると、無増悪生存期間(PFS)が9ヵ月近く延長することが、米国・メイヨー・クリニックのA Keith Stewart氏らが行ったASPIRE試験で示された。多発性骨髄腫患者の生存率は改善しているが、再発率は依然として高く、新たな治療アプローチが求められている。カルフィルゾミブは、構成型プロテアソームと免疫型プロテアソームに選択的かつ不可逆的に結合するエポキシケトン型プロテアソーム阻害薬であり、これら3剤の併用療法は第I/II相試験でその有効性が確認されている。NEJM誌オンライン版2014年12月6日号掲載の報告。