感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:148

発熱外来設置の注意点と補助金を整理/日本医師会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と季節性インフルエンザの同時流行に備え、厚生労働省では発熱外来設置の医療機関に対して補助金による支援事業を実施する。しかしその仕組みが非常に複雑であり、日本医師会では10月14日、定例記者会見で発熱外来設置の考え方と厚生労働省の補助金の概要について事例を交えて解説した。  厚生労働省は9月15日、インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金の交付について、通知1)を発出した。発熱患者の診療を担う医療機関は、厚生労働省に申請書を提出し、各都道府県から「診療・検査医療機関(仮称)」の指定を受ける。

ロピナビル・リトナビルはCOVID-19死亡リスクを下げない/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した患者において、ロピナビル・リトナビルによる治療は28日死亡率、在院日数、侵襲的人工呼吸器または死亡のリスクを低下しないことが、無作為化非盲検プラットフォーム試験「RECOVERY試験」の結果、明らかとなった。英国・オックスフォード大学のPeter W. Horby氏ら「RECOVERY試験」共同研究グループが報告した。ロピナビル・リトナビルは、in vitro活性、前臨床試験および観察研究に基づいてCOVID-19の治療として確立されていたが、今回の結果を受けて著者は、「COVID-19入院患者の治療として、ロピナビル・リトナビルの使用は支持されない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2020年10月5日号掲載の報告。

重症COVID-19の心停止、高齢なほど転帰不良/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者の院内心停止の発生は、とくに高齢者で頻度が高く、心肺蘇生(CPR)後の生存率は不良であることを、米国・ミシガン大学のSalim S. Hayek氏らが、米国68病院のICUに入室した5,000例超のCOVID-19重症患者を対象に行ったコホート試験で明らかにした。院内心停止を呈したCOVID-19重症患者は転帰不良であるとの事例報告により、同患者集団へのCPRは無益ではないかとの議論が持ち上がっている。このため研究グループは速やかにデータを集める必要があるとして本検討を行った。BMJ誌2020年9月30日号掲載の報告。

第11回日本製薬医学会年次大会開催のご案内(現地/web併催)

 一般財団法人日本製薬医学会は、2020年10月30日(金)、31日(土)に東京・日本橋ライフサイエンスビルでの開催を予定していた『第11回日本製薬医学会年次大会』を現地開催及びWeb開催の併催へと変更した。Webで参加する場合、参加登録者は会期中に全セッションを随時視聴可能である。また、後日、全参加者を対象としたWeb配信も予定されている[2020年11月14日(土)~11月23日(月)]。  開催概要は以下のとおり。 【日時】 2020年10月30日(金)~31日(土) 【参加条件】 ・登録方法:オンライン参加登録(10月31日まで。10月19日17時までは早期割引あり)

ミズイボへの新規外用剤、有効性・安全性を確認

 子供に多いことで知られるウイルス性皮膚感染症、いわゆるミズイボへの新規外用剤VP-102の、第III相臨床試験の結果が報告された。VP-102は、1回使い切りタイプの独自の薬剤送達デバイスで、カンタリジン0.7%(w/v)を含有する局所フィルム形成溶液を病変部に塗布するというもの。病変塗布部が区別しやすいよう外科用染料ゲンチアナバイオレットが使われ、また苦味を加味して潜在的な経口摂取の防止が図られているという。今回、カリフォルニア大学サンディエゴ校のLawrence F. Eichenfield氏らが、2歳以上の伝染性軟属腫(MC)患者への有効性と安全性を検討した2件の第III相臨床試験の結果を報告した。

糖尿病併存のCOVID-19治療、入院時のシタグリプチン投与が有用

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を巡っては、高血圧症や糖尿病などの併存疾患を有する患者で転帰不良となることがこれまでの研究で明らかになっており、併存疾患に応じた治療を模索する必要がある。イタリア・パヴィア大学のSebastiano Bruno Solerte氏らは、COVID-19治療のために入院した2型糖尿病患者を対象に、標準治療(インスリンなど)にDPP-4阻害薬シタグリプチンを追加したケースと、標準治療のみのコントロールを比較する多施設後ろ向きケースコントロール研究を行った。その結果、シタグリプチン追加群で死亡率の低下と臨床転帰の改善がみられた。Diabetes Care誌オンライン版2020年9月2日号に掲載。

内科医も知っておきたい小児感染症の特殊性/日本感染症学会

 2020年8月に現地とオンラインのハイブリッド方式で開催された日本感染症学会学術講演会において、名古屋大学医学部附属病院の手塚 宜行氏(中央感染制御部)が「内科医も知っておきたい小児感染症の特殊性」とのテーマで発表を行った。  手塚氏によると、小児感染症が成人と異なる事項は、以下の4点に集約される。 1)年齢(月齢)によってかかる病気が変わる 2)ウイルス感染症が多い  3)検体採取が困難なケースが多い 4)病勢の進行が速い

COVID-19、ECMO導入患者の院内死亡率は?/Lancet

 体外式膜型人工肺(ECMO)を導入された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者では、装着から90日後の推定死亡率、および入院中の患者を除く最終的に死亡または退院となった患者の死亡率はいずれも40%未満であり、これは世界の多施設のデータであることから、COVID-19患者で一般化が可能な推定値と考えられることが、米国・ミシガン大学のRyan P. Barbaro氏らExtracorporeal Life Support Organization(ELSO)の検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年9月25日号に掲載された。いくつかの大規模な医療組織では、COVID-19関連の急性低酸素性呼吸不全患者に対してECMOによる補助が推奨されている。一方、COVID-19患者でのECMO使用に関する初期の報告では、きわめて高い死亡率が示されているが、COVID-19患者におけるECMO使用に関する大規模な国際的コホート研究は行われていなかった。

COVID-19パンデミックによる米国うつ病有病率

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと感染症防止のための政策は、抑うつ症状に対する未知の影響を伴い、全米に拡大した。米国・ボストン大学のCatherine K. Ettman氏らは、米国成人におけるCOVID-19パンデミックによるの抑うつ症状の有症率とリスク因子を推定するため、検討を行った。JAMA Network Open誌2020年9月1日号の報告。  本研究は、18歳以上の米国成人を対象とした2つの人口ベースの調査を用いた、米国国民生活調査として実施した。COVID-19と生活ストレスによるメンタルヘルスやウェルビーイングへの影響に関する研究より、COVID-19パンデミック期間の推定値を算出した。

COVID-19は素早く見つけて包囲し対処/日本感染症学会

 第94回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:館田 一博氏[東邦大学医学部 教授])が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下、8月19日~21日の期日でインターネット配信との併用で東京にて開催された。  今回のテーマは、「感染症学の新時代を切り拓く-“探求する心”を誇りとして-」。学術集会では、特別講演に大隅 良典氏(東京工業大学)、満屋 裕明氏(国立国際医療研究センター)などの講演のほか、招請講演として学会の国際化がさらに前進することを期待し欧米の著名な感染症、ワクチンの専門家が講演者に迎えられた。基調・教育講演でも学際的な交流の活性化を目的にさまざまな臨床領域の講師が登壇した。