感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:216

妊婦への3種混合ワクチン再接種、2年以内でも安全/JAMA

 妊娠中に破傷風・ジフテリア・無菌体百日咳の3種混合ワクチン(Tdap)を再接種した際、前回のTdap接種が2年以内であっても、早産や在胎週数不当軽量児(SGA)といった有害事象の発生リスクは、前回接種から5年超経過している場合に比べ増大しないことが示された。米国疾病管理予防センター(CDC)のLakshmi Sukumaran氏らが、約3万人弱の妊婦について行った試験で明らかにした。これまで妊娠中のTdap再接種に関する安全性は明らかではなかった。JAMA誌2015年10月20日号掲載の報告。

CLEAN試験:血管内カテーテル挿入時の皮膚消毒はクロルヘキシジン・アルコール(解説:小金丸 博 氏)-440

カテーテル関連血流感染症(CRBSI)はありふれた医療関連感染であり、死亡率も高いことが知られている。カテーテル挿入時の皮膚消毒は感染予防に重要であり、今までも適切な皮膚消毒薬について議論されてきた。米国疾病予防管理センター(CDC)は、カテーテル挿入時の皮膚消毒に、0.5%を超えるクロルヘキシジンを含むクロルヘキシジン・アルコールを推奨しているが、クロルヘキシジン・アルコールとポビドンヨード・アルコールをhead-to-headで比較した大規模試験は存在しなかった。

インフルエンザ関連肺炎患者に多いワクチン未接種/JAMA

 市中肺炎で入院した小児および成人を対象に、インフルエンザ関連肺炎患者群と非関連肺炎患者群のインフルエンザワクチン接種率を調べた結果、前者のほうが低く未接種者の割合が多かったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学医学部のCarlos G. Grijalva氏らが、市中肺炎入院を評価する多施設共同前向き観察研究Etiology of Pneumonia in the Community(EPIC)のデータを分析し、報告した。これまで、インフルエンザワクチン接種と、インフルエンザの重篤合併症の肺炎との関連を評価した研究はほとんど行われていなかった。JAMA誌2015年10月13日号掲載の報告。

甘くみていませんか、RSウイルス感染症

 10月1日、都内においてアッヴィ合同会社は、RSウイルス感染症に関するプレスセミナーを開催した。セミナーでは、小保内 俊雅氏(多摩北部医療センター 小児科部長)が「秋から冬に流行る呼吸器感染症 侮れないRSウイルス~突然死を含む重症例の観点から~」と題し、最新のRSウイルス感染症の動向や臨床知見と小児の突然死を絡め、解説が行われた。

カテーテル関連感染症、クロルヘキシジン消毒で大幅減/Lancet

 カテーテル挿入前に、皮膚消毒をクロルヘキシジン・アルコールで行うと、ポビドンヨード・アルコールを使った場合に比べて、カテーテル関連感染症リスクは85%低下することが示された。フランス・CHU de PoitiersのOlivier Mimoz氏らが、2,546例を対象とした無作為化比較試験の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「血管内カテーテル関連感染症予防のためにも全例について、皮膚消毒はクロルヘキシジン・アルコールを用いるべきである」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年9月17日号掲載の報告より。

中心静脈カテーテル挿入、鎖骨下静脈が低リスク/NEJM

 中心静脈カテーテル(CVC)の挿入3部位別のリスクについて検討した結果、鎖骨下静脈へのカテーテル挿入が、内頸静脈または大腿静脈と比べて、血流感染および症候性血栓症のリスクが低いことが明らかにされた。気胸のリスクは高かった。フランス・CHU de CaenのJean-Jacques Parienti氏らが多施設共同無作為化試験の結果、報告した。CVCでは鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈の3部位への挿入が一般的に行われているが、いずれも重大合併症の可能性が指摘されていた。NEJM誌2015年9月24日号掲載の報告。

脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet

 脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず、同治療は推奨できないとする見解を、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。

PRIMIT試験:インターネットによる手洗いの奨励がもたらす効果(解説:小金丸 博 氏)-418

インフルエンザなどの気道感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染が主であると考えられている。接触による感染の伝播防止には手洗いが有効であり、新型インフルエンザA(H1N1)のパンデミック期には、世界保健機関(WHO)は手洗いを推奨した。手洗いの教育がもたらす感染予防効果について、小児を対象とした質の高い研究があるものの、非貧困地域における成人を対象とした質の高い研究は、今まで存在しなかった。