感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:213

急性内科疾患への長期抗血栓療法は有効?/NEJM

 Dダイマー高値の急性内科疾患患者に対し、経口抗Xa薬のbetrixaban長期投与とエノキサパリン標準投与について比較検討した結果、有効性に関する有意差は認められなかった。英国キングス・カレッジ・ロンドンのAlexander T. Cohen氏らが国際多施設共同二重盲検ダブルダミー無作為化試験「APEX」の結果、報告した。急性内科疾患患者は、静脈血栓症(VT)の長期的リスクを有するが、抗血栓療法の適切な継続期間については明らかになっていない。NEJM誌オンライン版2016年5月27日号掲載の報告。

ジカウイルス胎内感染児の3分の1に先天性眼障害

 ジカウイルス感染は、2015年にブラジル北東部で流行が確認され、南北アメリカの多くの地域にまで急速に拡大している。最近、新生児の小頭症とこれら小頭症児における視力を脅かす所見が増加していることから、ブラジル・ロベルト サントス総合病院のBruno de Paula Freitas氏らは、胎内感染が疑われる小頭症児の眼所見について調査した。

急性腎障害の実態は国の事情により大きく異なる~詳細な実態把握と対策が望まれる~(解説:木村 健二郎 氏)-531

acute kidney injury(AKI:急性腎障害)という言葉が、acute renal failure(急性腎不全)という言葉の代わりに使われるようになった。そのいきさつは、急激に腎機能が低下する病態は、以前いわれていたように決して予後の良いものではないことが明らかになってきたこと、早く診断して治療すれば回復のチャンスがあることなどから、早期診断を可能とする診断基準と評価のための病期分類が必要とされるようになったことによる。

うつ病と性行為感染症リスク、その関連を検証

 米国では、性行為感染症(STDs)やうつ病は、毎年100万人に大きな影響を与え、直接医療費は410億ドルを超える。これらの相互の影響はほとんど理解されておらず、それぞれが歴史的に別々に対処されてきたが、プライマリケアにおける対処が増えている。米国・南イリノイ大学のWiley D Jenkins氏らは、うつ病とSTDとの関連を検討した。Preventive medicine誌オンライン版2016年4月4日号の報告。

急性腎障害、低所得国ほど市中感染が原因に/Lancet

 急性腎障害(AKI)は、その約6割が市中感染で、低所得国や低中所得国ではその割合は8割と高いことが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRavindra L. Mehta氏らによる、世界72ヵ国、約4,000例のデータを対象に前向きに収集して行った国際横断研究「International Society of Nephrology Global Snapshot」の結果、明らかになった。治療7日目の死亡率は、低所得国・低中所得国では12%と、高所得国や高中所得国より高率だったという。Lancet誌オンライン版2016年4月13日号掲載の報告より。

乳児期に抗菌薬投与すると幼児期に太るのか/JAMA

 生後6ヵ月以内の抗菌薬使用は、7歳までの体重増と統計的に有意な関連はみられないことが、米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らが行った後ろ向き縦断研究の結果、示された。マウスを用いた動物実験では、誕生後早期の抗菌薬使用は、腸内細菌叢を乱し炭水化物・脂質の代謝を変化させ肥満と関連することが示されている。一方、ヒトの乳児期抗菌薬使用と幼少期体重増との関連を検討した研究では、相反する報告が寄せられている。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告。