感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:244

重症インフルエンザ患者に対するオセルタミビル2倍量投与の有用性(コメンテーター:小金丸 博 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(108)より-

 インフルエンザは急性熱性ウイルス性疾患であり、自然に軽快することが多いが、一部の患者では肺炎などを合併し、重症化することが知られている。重症インフルエンザ患者に対してエビデンスの存在する治療方法はないが、WHOのガイドラインでは、パンデミック2009インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染症の重症例や鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染症に対して、オセルタミビル(商品名:タミフル)の高用量投与や治療期間の延長を考慮すべきと述べられている。

尿道カテーテル抜去時の抗菌薬予防的投与、短期入院患者ではベネフィットがある/BMJ

 入院患者の尿道カテーテル抜去時の抗菌薬予防的投与について、カテーテルを受けていた期間が短期の患者については同投与をしたほうがベネフィットがあることを、米国・ワシントン大学のJonas Marschall氏らがメタ解析の結果、報告した。著者は、「患者がベネフィットを受けるかを見極めて投与を行えば、抗菌薬予防的投与の不利益(副作用、コスト、耐性菌の発生)は軽減できうる」と述べている。BMJ誌オンライン版2013年6月11日号掲載の報告より。

抗菌薬適正使用推進プログラム、広域抗菌薬の適応外使用を改善/JAMA

 小児プライマリ・ケア外来への抗菌薬適正使用推進プログラム(antimicrobial stewardship program)の導入により、細菌性急性気道感染症(ARTI)の診療ガイドライン遵守状況が改善されることが、米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らの検討で示された。米国では小児に処方される薬剤の多くが抗菌薬で、そのほとんどが外来患者であり、約75%がARTIに対するものだという。ウイルス性ARTIへの抗菌薬の不必要な処方は減少しつつあるが、細菌性ARTIでは、とくに狭域抗菌薬が適応の感染症に対する広域抗菌薬の不適切な使用が多いとされる。JAMA誌2013年6月12日号掲載の報告。

重症インフルエンザへのオセルタミビル2倍量投与の効果を検討/BMJ

 重症インフルエンザに対し、オセルタミビルを通常の2倍量投与しても、治療効果は通常量投与の場合と同等であったことが示された。東南アジア感染症臨床研究ネットワーク(South East Asia Infectious Disease Clinical Research Network)が、インドネシアなど東南アジア4ヵ国13病院で重症インフルエンザ患者について行った、無作為化二重盲検試験の結果、報告した。BMJ誌5月30日号で発表した。

ICU内の感染症対策、標的患者除菌よりも全患者除菌が有効/NEJM

 ICU内における標的患者除菌または全患者除菌は、いずれも院内感染症の予防において、とくにMRSAに対しては有望な戦略である。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSusan S. Huang氏らは、プラグマティックなクラスター無作為化試験を行い、いずれの方法がルーチンなICUケアとして有効であるかを検討した。その結果、全患者除菌が、より有効であったことを報告した。NEJM誌オンライン版2013年5月29日号掲載の報告より。

EV71ワクチン、乳幼児対象の第3相試験で高い有効性と良好な安全性を報告/Lancet

 エンテロウイルス71(EV71)ワクチンの有効性と安全性、免疫原性について検討した第3相無作為化試験の結果、有効性は高く、安全性は良好で、免疫原性の維持が確認されたことを、中国・江蘇省疾病管理予防センター(CDC)のFeng-Cai Zhu氏らが報告した。EV71感染症は1974年に疾患報告されて以降、世界的に手足口病(HFMD)と関連した発生が、とくに乳幼児で多く報告され、過去10年では600万例以上の感染、2,000例以上の死亡が報告されているという。不活化アラムアジュバントEV71ワクチンは中国で開発され、成人および小児を対象とした第1相、第2相試験で安全性と免疫原性が確認されていた。今回の第3相試験は乳幼児を対象に、EV71と関連した疾患予防を目的とした評価が行われた。Lancet誌オンライン版2013年5月29日号掲載の報告より。

鳥インフルエンザA(H7N9)患者の約8割がICU、死亡は約3割/NEJM

 中国で2013年春に流行した鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者111例について、診療記録を基に行った調査の結果、ICUで治療を受けたのは約77%、死亡は27%であったことを、北京大学のHai-Nv Gao氏らが報告した。また、患者の大半は入院時に肺炎と同様な症状を呈し、患者の年齢中央値は61歳であったという。NEJM誌オンライン版2013年5月22日号掲載の報告より。

再発性下肢蜂窩織炎、ペニシリン投与で再発リスクは半減/NEJM

 下肢蜂窩織炎の再発予防を目的としたペニシリン投与は、再発リスクをおよそ半減することが示された。ただしその効果は投与期間中においてであり、投与中止後は徐々に漸減した。英国・ノッティンガム大学病院のKim S. Thomas氏らが、274例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌2013年5月2日号で発表した。