米国のCOVID-19後遺症患者の多くが医療にアクセスできていない
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症患者の多くが、必要な医療を受けることができていない実情が米国から報告された。医療費の高さと、COVID-19後遺症を診ることのできる医師の予約を取れないことが主な理由だという。米アーバン・インスティテュート健康政策センターのMichael Karpman氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に4月10日掲載された。
COVID-19急性期以降に、さまざまな症状が遷延する「COVID-19後遺症(post-COVID-19 condition;PCC)」と呼ばれる状態になることが少なくない。Karpman氏は、「PCC患者の医療アクセスを改善するには、標準的な診断・治療法を確立した上で、患者に対して行った治療が必要なものであることを、保険会社に認められるようにしていかなければならない。現状の問題の一部は、標準的な診断・治療法が確立していないことに起因している。そのため、必要性の低い検査などが行われることがあり、保険会社が医療費の一部の支払いを拒否することがある」と、この問題の背景を解説している。