内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:133

高齢者へのDOAC、本当に減量・中止すべき患者とは/日本循環器学会

 高齢者の心房細動治療において、つい抗凝固薬を減量してしまいがちだが、それは本当に正しいのだろうか。今回、小田倉 弘典氏(土橋内科医院)が『心房細動抗凝固薬(アブレーションを望まない高齢のPAFなど)』と題し、第87回日本循環器学会学術集会のセッション「クリニックで選択されるべき循環器治療薬~Beyond guideline~」にて、高齢者心房細動の薬物療法における注意点を発表した。  小田倉氏はまず、以下の症例を提示し、実際に直接経口抗凝固薬(DOAC)を処方するかどうか、またその際に減量するか否かについて問題提起した。

日本人の認知症タイプ別死亡リスクと死因

 近年の認知症に対する医療および長期ケアの環境変化は、疾患の予後を改善している可能性がある。そのため、認知症の予後に関する情報は、更新する必要があると考えられる。そこで、医薬基盤・健康・栄養研究所の小野 玲氏らは、日本における認知症のサブタイプ別の死亡率、死因、予後関連因子を調査するため、クリニックベースのコホート研究を実施した。その結果、日本における認知症サブタイプ別の死亡リスクや死因の重要な違いが明らかとなった。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2023年2月6日号の報告。

日本におけるオミクロン期のコロナワクチンの有効性は?/長崎大

 長崎大学熱帯医学研究所の前田 遥氏らの多施設共同研究チームは、2021年7月1日より、日本国内における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン効果のサーベイランス「VERSUS(Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2)」を実施している。オミクロン株BA.1/BA.2の流行期における新型コロナmRNAワクチンの効果についてVERSUSのデータを基に評価したところ、初回シリーズの接種により緩やかな予防効果が得られ、さらに、有症状感染を防ぐにはブースター接種がより効果的であったことが明らかとなった。本結果は、Expert Review of Vaccines誌オンライン版2023年3月8日号に掲載された。

貯まったポイントは商品券と交換がダントツ/医師1,000人アンケート

 日常生活で当たり前となったポイント付与と使用。最近では、ポイントを目当てに活動する「ポイ活」という言葉もうまれ、さまざまな情報交換がウェブサイトなどで行われている。  この「ポイ活」について、医師がどの程度の頻度で、どの分野で行い、貯めたポイントを何と変換しているのか、今回会員医師1,000人にアンケート調査を行った。アンケートは、2月22日にCareNet.comのWEBアンケートにて全年代、全診療科に対して実施した。

中年期から心臓の健康に気を付けると脳の健康も維持される―AHAニュース

 心臓の健康状態が良好であることは脳の健康にとっても重要であり、脳血管疾患や認知症のリスクの抑制につながることが明らかになっている。では、そのような違いを生み出すための行動を、人生の中盤以降に始めたのでは遅すぎるのだろうか? 新たに報告された研究によると、その疑問の答えは「NO」のようだ。  米国脳卒中協会(ASA)主催の国際脳卒中学会(ISC2023、2月8~10日、ダラス)で報告されたこの研究により、心臓の健康状態を改善するための中年期以降の行動が、約20年後の脳血管疾患や認知症のリスクの低さと関連のあることが分かった。発表者である米ミネソタ大学のSanaz Sedaghat氏は、「わずかな改善であっても将来的に効果が現れる可能性がある」と述べている。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。

スタチン治療患者の将来リスク予測、CRP vs.LDL-C/Lancet

 スタチン療法を受ける患者において、高感度C反応性蛋白(CRP)で評価した炎症のほうがLDLコレステロール(LDL-C)値で評価したコレステロールよりも、将来の心血管イベントおよび死亡リスクの予測因子として強力であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M. Ridker氏らが行った、3つの無作為化試験の統合解析の結果、示された。著者は、「示されたデータは、スタチン療法以外の補助療法の選択を暗示するものであり、アテローム性疾患のリスク軽減のために、積極的な脂質低下療法と炎症抑制治療の併用が必要である可能性を示唆するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年3月6日号掲載の報告。

ベンゾジアゼピンの使用および中止に伴う離脱症状とその期間は

 ベンゾジアゼピンの漸減や中止を行うと、さまざまな症状が一定期間発現することがある。このように数ヵ月~数年間続くこともある症状のメカニズムは、数十年前から報告されているものの、いまだ解明されていない。米国・Benzodiazepine Information CoalitionのChristy Huff氏らは、ベンゾジアゼピンの使用および中止に関連する急性および慢性的な離脱症状を明らかにするため、インターネット調査結果の2次解析を行った。その結果、ベンゾジアゼピンの漸減および中止でみられる急性で一過性の症状は、多くのベンゾジアゼピン使用患者が経験する持続的な症状とは性質や期間が異なる可能性が、改めて示唆された。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2023年2月6日号の報告。

DELIVER試験を踏まえた慢性心不全治療の今後の展望/AZ

 アストラゼネカは「フォシーガ錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下フォシーガ)」の添付文書が改訂されたことを機に、「慢性心不全治療に残された課題と選択的SGLT2阻害剤フォシーガが果たす役割」と題して、2023年3月2日にメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、はじめに阪和病院・阪和記念病院 統括院長・総長 北風 政史氏より、「慢性心不全治療の現状とDELIVER試験を踏まえた今後の展望」について語られた。

生後6ヵ月~4歳児に、ファイザー2価ワクチン追加接種を承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は3月15日、ファイザーの新型コロナウイルスのオミクロン株BA.4/BA.5対応2価ワクチンについて緊急使用許可(EUA)を修正し、生後6ヵ月~4歳の小児において、同社の1価ワクチンの3回接種(初回シリーズ)が完了してから少なくとも2ヵ月後に、2価ワクチンによるブースター接種1回を行うことができることを発表した。  2022年12月に、生後6ヵ月~4歳の小児は、1価ワクチンの初回シリーズの2回目までを接種した者に対して、3回目に2価ワクチンを接種することが承認されていた。今回の生後6ヵ月~4歳への2価ワクチンブースター接種の承認では、上記の3回目に2価ワクチンを接種した小児は対象外となり、初回シリーズをすべて1価ワクチンで3回接種した者のみが対象となる。

パキロビッドパック600/300が薬価収載/ファイザー

 ファイザー(日本)は3月15日付のプレスリリースにて、同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する経口抗ウイルス薬の「パキロビッドパック600」および「パキロビッドパック300」(一般名:ニルマトレルビル/リトナビル)が薬価基準に収載されたことを発表した。薬価はそれぞれ、パキロビッドパック600(1シート)が19,805.50円、パキロビッドパック300(1シート)が12,538.60円となる。両パッケージともに、2023年3月22日から一般流通が開始される予定。