内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:151

加熱式タバコ、コロナ感染・重症化リスクを上昇/大阪公立大ほか

 燃焼式タバコの使用は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク因子と考えられ、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第8.1版」でも「喫煙」が「重症化のリスク因子」の項目に記載されている。COVID-19流行下において、各国でタバコ使用行動の変化がみられているが、加熱式タバコの使用は、増加しているともいわれる。しかし、加熱式タバコとCOVID-19の関係については、これまでほとんど検討がなされていなかった。そこで、大阪公立大学の浅井 一久氏(大阪公立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 准教授)らの研究グループは、加熱式タバコの使用とCOVID-19の関係に着目し、調査を実施した。その結果、タバコ非使用者に比べ、加熱式タバコ使用者は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率が高く、全タバコ使用者の中でも加熱式タバコと燃焼式タバコの併用者は、感染時の症状悪化リスクが最も高かった。本研究結果は、Scientific Reports誌2023年2月2日号に掲載された。

インフル家庭内感染率、コロナ流行前の2.31倍に/JAMA

 米国5州のコホート試験で、2021-2022インフルエンザシーズン中のインフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染率は50.0%と、2017~20年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前のシーズン(2017-2018、2018-2019)の同感染率20.1%に比べ、家庭内感染リスクは有意に上昇(2.31倍)していたことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のMelissa A. Rolfes氏らによる検討で、著者は「さらなる検討を行い、関連性の要因を明らかにする必要がある」と述べている。

SNRI使用と口渇リスク

 口腔乾燥症や口渇は唾液量の減少および欠如を起因とする状態であり、特定の薬剤の使用に続発してみられる。Joseph Katz氏らは、口腔乾燥症患者とセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)使用との関連を分析した。その結果、SNRIを使用している患者は、使用していない患者と比較し、口渇リスクが約5倍であることが明らかとなった。結果を踏まえて著者らは、SNRIを処方する専門医、唾液の産生やQOLへのSNRIによる影響を認識していない医師、口腔乾燥症の治療に携わっている歯科医師にとって、本結果は有益な情報であろうと報告している。Quintessence International誌オンライン版2023年1月10日号の報告。

COVID-19の2価ワクチン接種でXBB系統の感染リスクが半減

 新型コロナウイルスオミクロン株のBA.4とBA.5に対応した2価ワクチンのブースター接種により、現在流行中のオミクロン株XBB系統への感染リスクが半減する可能性が、新たなデータで示された。米疾病対策センター(CDC)が実施したこの研究結果は、「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」に1月25日掲載された。NBCニュースは、CDCのCOVID-19 Emergency Response Teamの責任者であるBrendan Jackson氏がこの知見について、「非常に心強いものだ」とコメントしたことを報じている。

短時間のPET-CT検査でホルモン分泌異常による高血圧を診断

 10分程度の非侵襲的なPET-CT検査により、高血圧の原因となっている腫瘍を、従来のカテーテルを用いた侵襲的な検査と同程度の精度で検出できることが、新たな研究で示された。研究グループは、この検査により見つけた腫瘍を外科的に切除することで、このタイプの高血圧を治療できるようになる可能性があるとしている。英ロンドン大学クイーン・メアリー校教授のMorris Brown氏らが実施したこの研究結果は、「Nature Medicine」に1月16日掲載された。  高血圧の大部分はその原因が不明であり、患者は生涯にわたって薬物療法が必要である。ただし、同大学の研究グループが実施した過去の研究では、高血圧患者の5~10%は、副腎でのアルドステロンの過剰分泌(原発性アルドステロン症)を原因とすることが明らかにされている。アルドステロンは体内のナトリウムや水分の量を調節する働きを持つホルモンだが、過剰に分泌されると体内に塩分や水分が蓄積して高血圧を引き起こす。このタイプの高血圧患者では一般的な降圧薬が奏効せず、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇する。原発性アルドステロン症の原因は、副腎の良性腫瘍(通常は片側性)か、両側の副腎でのアルドステロン分泌細胞の過形成である。前者の場合には、副腎摘出による治療が可能だが、標準的な術前検査が侵襲的であるため、実際に手術を受ける患者は1%足らずにとどまっているのが現状である。

CKDを抑制、植物油よりも魚油/BMJ

 魚介由来の3種のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の総量の値が高いほど、慢性腎臓病(CKD)発症のリスクが低いのに対し、植物由来のn-3 PUFAにはこのような作用はなく、魚介由来n-3 PUFA値が最も高い集団は最も低い集団に比べ、推算糸球体濾過量(eGFR)の≧40%の低下のリスクが低いことが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のKwok Leung Ong氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年1月18日号に掲載された。

コロナワクチン接種者と未接種者、情報源の違いは?/筑波大

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチンを接種するかどうかを決定しておらず「様子見」していた人のうち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報を「職場/学校」「LINE」から得ている人はその後のワクチン接種率が高く、「インターネットニュース」「動画共有サイト(YouTubeなど)」から得ている人は接種率が低かったことを、筑波大学の堀 大介氏らが明らかにした。Environmental health and preventive medicine誌オンライン版2023年2月2日掲載の報告。  過去の研究によって、COVID-19に関する情報をテレビのニュース番組や新聞から得ている人はワクチン接種意向が高いなど、情報源の種類と接種意向との関連が報告されていた。しかし、ワクチンが接種可能になった後に実際にワクチンを接種したかどうかは不明のため、ワクチン接種の意思決定プロセスにおける情報源の種類の影響は明らかではなかった。そこで研究グループは、ワクチンを接種するかどうかまだ決めていない人において、使用しているCOVID-19に関する情報源とその後のワクチン接種の有無との関連を明らかにするため調査を実施した。

日本人片頭痛患者に対するフレマネズマブ オートインジェクターの第III相臨床試験

 ヒト化抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)モノクローナル抗体であるフレマネズマブは、片頭痛発作の発症抑制を適応とする皮下注射製剤である。2022年、フレマネズマブに、自宅での自己注射が可能となるオートインジェクター(AI)製剤が新たな選択肢として加わった。獨協医科大学の平田 幸一氏らは、フレマネズマブのAI製剤の安全性を調査するために実施された第III相臨床試験の結果を報告した。その結果、自宅でのフレマネズマブのAI製剤自己注射は、一般的な安全性および良好な忍容性が認められた。著者らは、有用性およびアドヒアランス改善の観点から、フレマネズマブのAI製剤による投与戦略は臨床的に意義があると考えられると報告している。Expert Opinion on Drug Safety誌オンライン版2022年12月28日号の報告。

1日を快活にスタートするための三つの鍵

 朝、気持ち良く目覚めて1日を快活に過ごすためには三つの鍵があることが、新たな研究から明らかになった。前日に運動をして、いつもより少し遅めに起き、炭水化物が多めの朝食を取ると良いようだ。これらの3因子は、朝の覚醒レベルにそれぞれ独立した関連があるという。米カリフォルニア大学バークレー校のRaphael Vallat氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Communications」に11月19日掲載された。  広告などでは、しばしば朝食のシーンとして、砂糖で甘くしたシリアルがテーブルに並んだ映像が登場する。ただ、砂糖などの単純糖質ばかりの食事は、1日のスタートには最悪のようであり、Vallat氏は、「摂取後に血糖値を急激に上昇させる食品は避けた方が良い」と話す。

おたふくかぜワクチンの予防効果、成人期には低下?

 米国では、小児に対するムンプス(流行性耳下腺炎、おたふくかぜ)ワクチンの定期接種が行われているにもかかわらず、依然としておたふくかぜのアウトブレイクが報告されている。この原因を、ワクチン接種により獲得した免疫の減衰に求める説を裏付ける研究結果が報告された。米ジョージア大学Odum School of EcologyのDeven V. Gokhale氏らによる研究で、詳細は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に1月9日掲載された。  おたふくかぜは、片側または両側の頬(耳の下)や顎の下の腫れ、発熱などを主症状とする全身性のウイルス感染症だ。通常は、比較的軽い症状が1〜2週間続いた後に軽快するが、脳の炎症や難聴などの深刻な合併症を引き起こして重症化することもある。そのため、米国では、小児に対する麻疹(はしか)・おたふくかぜ・風疹の混合ワクチン(MMRワクチン)の定期接種が奨励されている。