内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:432

抗コリン薬、認知症発症と強く関連/BMJ

 英国・イースト・アングリア大学のKathryn Richardson氏らによる症例対照研究の結果、うつ病、泌尿器系およびパーキンソン病の治療に用いられる抗コリン薬の使用が、将来的な認知症発症と強く関連していることが明らかとなった。この関連は、認知症と診断される15~20年前の曝露でさえ観察されたという。ただし、消化器および心血管系の抗コリン薬では認知症との明らかな関連は認められなかった。これまで、抗コリン作用のある薬剤の使用が、短期的な認知障害と関連があることは知られていた。しかし、報告されている抗コリン薬の使用と将来的な認知機能低下や認知症発症との関連が、抗コリン作用に起因するかどうかは不明であった。BMJ誌2018年4月25日号掲載の報告。

日本人の学歴・職歴と認知症の関連に糖尿病は関与するか

 欧米では、低い社会経済的地位(SES)と認知症との関連は生活習慣病(糖尿病)を介すると報告されている。しかし、わが国では低SESと認知症の関連は研究されていない。今回、敦賀看護大学(福井県)の中堀 伸枝氏らの研究から、低SESと認知症の間のメディエーターとして、生活習慣病の役割はきわめて小さいことが示唆された。BMC Geriatrics誌2018年4月27日号に掲載。

治療前のLDL-コレステロール値でLDL-コレステロール低下治療の効果が変わる?(解説:平山篤志氏)-852

2010年のCTTによるメタ解析(26試験、17万人)でMore intensiveな治療がLess intensiveな治療よりMACE(全死亡、心血管死、脳梗塞、心筋梗塞、不安定狭心症、および血行再建施行)を減少させたことが報告された。ただ、これらはすべてスタチンを用いた治療でLDL-コレステロール値をターゲットとしたものではないこと、MACEの減少も治療前のLDL-コレステロール値に依存しなかったことから、2013年のACC/AHAのガイドラインに“Fire and Forget”として動脈硬化性血管疾患(ASCVD)にはLDL-コレステロールの値にかかわらず、ストロングスタチン使用が勧められる結果になった。

「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」通知へ:厚労省

 厚生労働省の高齢者医薬品適正使用検討会は 5月7日の会合で、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」について大筋で了承した。本指針では65歳以上の高齢者、とくに平均的な服薬薬剤数が増加する75歳以上に重点をおいて、処方見直しの基本的な考え方や評価・減薬までの流れ、よく使われる薬剤の高齢者における留意点などをまとめている。

non HDL-コレステロールが特定健診の新たな基準に導入された

 2018年4月24日、日本動脈硬化学会(理事長:山下 静也氏)が都内でプレスセミナーを開催した。本セミナーでは、岡村 智教氏(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学 教授)が、「特定健診におけるLDL・Non-HDLコレステロール」をテーマに、2017年6月に発表された『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』の内容も踏まえ、講演を行った。

“2008年rosiglitazoneの呪い”は、いつまで続くのか?(解説:石上友章氏)-851

2008年12月18日に、米国食品医薬品局が出した通達によって、以後抗糖尿病薬については、心血管イベントをアウトカムにしたランダム化臨床試験(CVOT)を行うことが、義務付けられた。以来、これまでに抗糖尿病薬については、複数のCVOTが行われて発表されている。従来薬のCVOTの結果が非劣性にとどまることが多かったのに対して、SGLT2阻害薬を対象にしたEMPA-REG OUTCOME試験では、試験薬であるエンパグリフロジン群に、心血管複合エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)を有意に抑制する効果が証明された(エンパグリフロジン、心血管死リスクを有意に低下/NEJM)。心血管死については、約40%もの抑制が認められ、一躍脚光を浴びた。言うまでもなく、先行薬であるrosiglitazoneのもたらした教訓が、すべての抗糖尿病薬についてのCVOTを義務化させたと考えられている。

死亡リスクが低い飲酒量、ロング缶で週5本まで?/Lancet

 アルコール摂取の低リスク推奨量は、各国のガイドラインで大きな差があるという。英国・ケンブリッジ大学のAngela M. Wood氏らは、約60万人のアルコール摂取状況を解析し、死亡リスクが最も低い閾値は約100g*/週であることを示した。研究の成果は、Lancet誌2018年4月14日号に掲載された。国ごとで低リスク推奨量にばらつきがあるのは、最も死亡リスクが低い飲酒量の閾値の曖昧さや、心血管疾患のサブタイプに関連する、アルコール摂取に特異的な帰結の不確実性を反映している可能性があるためとされる。

身体能力低下の悪循環を断つ診療

 2018年4月19~21日の3日間、第104回 日本消化器病学会総会(会長 小池 和彦氏[東京大学医学部消化器内科 教授])が、「深化する多様性~消化器病学の未来を描く~」をテーマに、都内の京王プラザホテルにおいて開催された。期間中、消化器領域の最新の知見が、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップなどで講演された。