内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:476

心房細動への低用量NOAC、ワルファリンに勝るか?/BMJ

 心房細動の治療において、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)は、臨床に導入されて以降、低用量での使用が増加しているが、低用量NOACの有効性と安全性をワルファリンと比較したエビデンスは少ない。デンマーク・オールボー大学のPeter Bronnum Nielsen氏らは、安全性の主要アウトカムである出血は、低用量ダビガトランがワルファリンに比べ有意に少ないとの研究結果を、BMJ誌2017年2月10日号で報告した。

好きなお酒の種類で糖尿病リスクは異なるのか

 よく飲むアルコール飲料の種類によって、糖尿病との関連が異なるのだろうか。Consortium on Health and Ageing Network of Cohorts in Europe and the United States(CHANCES)プロジェクトにおいて、飲酒者におけるアルコール飲料の嗜好と2型糖尿病の発症率との関連性を研究したところ、ビール・ワイン・蒸留酒のそれぞれに対する嗜好と糖尿病発症との関連は、嗜好がない場合と同様であることがわかった。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2017年2月22日号に掲載。

市中肺炎の心不全リスク、高いのはむしろ若年患者/BMJ

 高齢の市中肺炎患者は、心不全のリスクが高いことが示されているが、他の年齢層や肺炎の重症度との関連は不明とされる。カナダ・アルバータ大学のDean T Eurich氏らは、高齢患者だけでなく、むしろ若年の市中肺炎患者で心不全リスクが高いとの研究結果を、BMJ誌2017年2月13日号で報告した。研究グループは、「これらの知見は、年齢にかかわらず、退院後の治療計画や予防戦略の立案時、また呼吸困難のエピソードを評価する際に考慮すべき」と指摘している。

腹部脂肪蓄積の遺伝的素因が糖尿病、心疾患発症に関与/JAMA

 観察研究では、腹部脂肪蓄積と2型糖尿病、冠動脈性心疾患(CHD)との関連が示唆されているが、因果関係は不明とされる。遺伝的素因としてBMIで補正したウエスト/ヒップ比(WHR)が高い集団は、2型糖尿病やCHDのリスクが高いとの研究結果が、JAMA誌2017年2月14日号で発表された。報告を行った米国・マサチューセッツ総合病院のConnor A Emdin氏らは、「これは、腹部脂肪蓄積と2型糖尿病、CHDとの因果関係を支持するエビデンスである」としている。

認知症発症予測に歩行速度や嗅覚テスト

 軽度認知障害(MCI)、認知症、死亡率における、老化に伴う危険因子の性質および共通性は、よくわかっていない。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のDarren M Lipnicki氏らは、認知機能が正常な多くの人々を含む6年間のシングルコホート研究で潜在的な危険因子を同時に調査した。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2016年12月31日号の報告。

4種配合降圧薬Quadpill、初回治療で有効性示す/Lancet

 4種の降圧薬(イルベサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジド、アテノロール)を標準用量の4分の1ずつ、1つのカプセルに配合したQuadpillによる降圧療法は、降圧薬のクラスを超えて相加的な効果を発揮し、臨床的に重要な血圧の低下をもたらす可能性があることが明らかとなった。オーストラリア・シドニー大学のClara K Chow氏らが、有効性と安全性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験(Quadpill試験)の結果を報告した。世界的に高血圧治療はほとんど単剤で行われているが、コントロール率は低く、単剤療法では平均してわずか9/5mmHg程度しか低下しない。そのため、新たな血圧コントロール戦略の開発が喫緊の課題となっている。低用量での併用療法は、副作用は少なく効果は維持されることが示唆されていたが、超低用量での有用性は不明であった。Lancet誌オンライン版2017年2月9日号掲載の報告。

ランダム化試験としては不十分、実用化にはさらなる検討が必要(解説:桑島 巖 氏)-645

近年の高血圧治療の傾向として、降圧目標値が低くなっており、その達成のためには多剤併用は避けられなくなっている。そこで、RAS阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬、β遮断薬の標準用量の4分の1ずつを4剤組み合わせたQuadpillという薬剤を作り、その降圧効果をプラセボと二重盲検法で比較したのがこの論文である。

飲酒行動と喫煙行動、同じ遺伝子多型が影響?

 アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2;rs671、Glu504Lys)およびアルコールデヒドロゲナーゼ1B(ADH1B;rs1229984、His47Arg)の遺伝子多型は、飲酒行動に強く影響することが知られている。愛知県がんセンターの正岡寛之氏らは、喫煙行動と飲酒行動が関連するというエビデンスから、ALDH2とADH1Bの遺伝子多型が喫煙開始とも関連する可能性を検証するために大規模な横断研究を行った。その結果、飲酒量や頻度のほか、これらの遺伝子多型の組み合わせにより、喫煙開始を予測しうることが示唆された。Drug and alcohol dependence誌オンライン版2017年2月1日号に掲載。

NOAC登場で変わる世界の心房細動の脳卒中予防

 心房細動(AF)は世界中で最もよく遭遇する不整脈で、脳卒中のリスクが5倍に高まる危険性がある。抗凝固薬、とりわけビタミンK拮抗薬が長い間、心房細動患者の基礎であり、過去の臨床試験において、コントロール群やプラセボと比較して、虚血性脳卒中を64%、全死亡率を26%減少させることが明らかになっている。Gloria-AF(Global Registry on Long Term Oral Antithrombotic Treatment in Patients with AF)は、脳卒中のリスクがあり、新規に診断された非弁膜症性心房細動に対する前向きのグローバルレジストリである。オランダのHuisman氏らは、このレジストリを用いて、ダビガトラン登場前後における世界全体での抗凝固療法の種類と割合を比較、検討した。Journal of the American College of Cardiology誌2017年2月号の掲載。

脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減

 精神的な刺激となる活動への取り組みと、軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病のオッズ低下との、横断的な関連が報告されている。しかし、70歳以上の高齢者による精神的な刺激となる活動がMCI発症を予測するかについての縦断的アウトカムは、ほとんど知られていない。米国・メイヨー・クリニックのJanina Krell-Roesch氏らは、高齢者における精神的な刺激となる活動とMCI発症リスクとの関連を仮説検証し、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型の影響を評価した。JAMA neurology誌オンライン版2017年1月30日号の報告。