内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:496

足元の「冷え性」が関係する気温感受性高血圧

 「頭寒足熱」とは、古くから語られてきた健康法だが、この「足熱」の重要性を裏付ける研究が、先月、都内で開かれた日本心臓財団のメディアワークショップで紹介された。本稿では、ワークショップの演者で、室温の変化が血圧に与える影響を研究している苅尾 七臣氏(自治医科大学内科学講座 循環器内科学主任教授)の講演について取り上げる。

生活習慣病予防プログラム、40年の成果/BMJ

 冠動脈疾患の主要かつ古典的なリスク因子である喫煙・脂質異常症・高血圧症(3リスク)を低減することを目的とした集団ベース介入の1次予防プログラムは、疾患発症や死亡の低下に寄与する有効な手段なのか。フィンランド国立健康福祉研究所のPekka Jousilahti氏らが、同国東部住民を対象とした40年にわたる観察研究(FINRISK研究)の結果、同プログラムが冠動脈疾患死の低下に寄与したことを確認したと報告した。また、高リスクの人への2次予防および急性冠症候群の治療の介入についても分析し、それらが付加的ベネフィットをもたらしたことも確認されたという。BMJ誌オンライン版2016年3月1日号掲載の報告より。

スーグラほかSGLT2阻害薬は高齢者に安全か

 3月3日、アステラス製薬株式会社は、「本邦の高齢者におけるSGLT2阻害薬の安全性と有効性」と題し、演者に横手 幸太郎氏(千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学講座 教授)を招き、プレスセミナーを開催した。講演では、65歳以上の高齢者7,170人を対象としたSGLT2阻害薬イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)錠の大規模調査「STELLA-ELDER」の中間報告も行われた。  はじめに、2型糖尿病をメインにその概要や機序が説明された。わが国の糖尿病患者は、疫学推計で2,050万人(2012年)と予想され、この5年間で予備群といわれている層が減少した半面、糖尿病と確定診断された層は増加しているという。血糖コントロールについては、さまざまな治療薬の発売もあり、2002年と2013年を比較すると、2型糖尿病患者のHbA1cは7.42%から6.96%へと低下している。しかしながら、患者の平均BMIは24.10から25.00と肥満化傾向がみられる。

離婚と脳卒中リスク~日本人5万人のデータ

 婚姻状態の変化と心血管疾患リスクの関連についての知見は一貫しているが、脳卒中リスク、とくに脳卒中のサブタイプ別にみた研究はほとんどない。大阪大学の本庄かおり氏らが婚姻状態の変化(離婚)と脳卒中リスクとの関連について検討した結果、これらには正の相関が認められ、その相関は生活環境や雇用状況により変化することが示された。Stroke誌オンライン版2016年3月1日号に掲載。

処方率上位を伝えるレター、不要な抗菌薬処方削減に効果/Lancet

 英国一般医(GP)の不要な抗菌薬処方を減らす方法として、処方率の高い上位20%のGPに対し、英国主席医務官(England's Chief Medical Officer)名で、上位に位置していることを知らせるレター送付が有効であることが示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのMichael Hallsworth氏らが、プラグマティックな試験を行い報告した。著者は、「低コストで全国規模の抗菌薬処方の削減が可能であり、抗菌薬管理プログラムに追加する価値があるものだ」と結論している。Lancet誌オンライン版2016年2月18日号掲載の報告。

血清尿酸値と心血管疾患死亡率の関係はJ字型

 アジア人における血清尿酸値と心血管疾患との関係を調査するために、大阪大学のWen Zhang氏らはEvidence for Cardiovascular Prevention from Observational Cohorts in Japan(EPOCH-JAPAN研究)のデータを用いて、日本における大規模なプール解析を実施した。その結果、血清尿酸値と心血管疾患死亡率との間にJあるいはU字型の関係が示唆された。また、日本人男女とも、血清尿酸値の最高五分位で心血管疾患の死亡率増加と関連していた。Journal of atherosclerosis and thrombosis誌オンライン版2016年2月18日号に掲載。