内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:494

糖尿病治療薬、効果の高い組み合わせは?/BMJ

 成人2型糖尿病患者に対し、メトホルミン単剤療法に比べ、メトホルミン+グリプチン、またはグリタゾンの2剤併用療法は、高血糖症リスクを2~4割低下すること、またグリタゾンもしくはグリプチンの単剤療法は、メトホルミン単剤療法に比べ、重度腎不全リスクが約2.6倍高いことなどが明らかにされた。英国・ノッティンガム大学のJulia Hippisley-Cox氏らが、約47万例の2型糖尿病患者を対象に行ったコホート試験の結果で、BMJ誌オンライン版2016年3月30日号で発表した。グリタゾンやグリプチンの臨床試験エビデンスの多くは、HbA1c値といった代替エンドポイントをベースとしたもので、合併症を減らすといった臨床的エンドポイントを評価するものではなかったという。研究グループは、2型糖尿病で長期間投薬治療を受ける大規模集団を対象に、臨床的アウトカムのリスクを定量化する検討を行った。

勃起不全患者の心血管イベント予測に有用なマーカー

 勃起不全(ED)患者において、「血管年齢と実年齢の差」は、心血管疾患発症リスクが低い群(若年齢、メタボリックシンドロームなし、心血管疾患の家族歴なし)において主要な心血管イベントの発症と関連することが、フィレンツェ大学のGiulia Rastrelli氏らによる研究で明らかになった。血管年齢と実年齢の差による心血管イベントの予測は、超音波カラードップラー検査のパラメータを含む他の危険因子と独立しており、費用もかからないため、陰茎の血管損傷の安全な代理マーカーとして有用性が高いと考えられる。The journal of sexual medicine誌2016年2月号の報告。

SSRIはむしろ心血管リスクを低下させる?/BMJ

 プライマリケア受診のうつ病患者約24万例のデータを用いたコホート研究で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、心血管リスクの増加と関連しないことが示された。英国・ノッティンガム大学のCarol Coupland氏らによる検討で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表された。先行研究で指摘されていたシタロプラムの不整脈リスク増加のエビデンスも認められなかった。分析の結果、むしろSSRIに心筋梗塞リスクを低下する効能がある可能性が示され、とくにfluoxetineで有意な低下がみられたという。リスク増加が示されたのは、三環系抗うつ薬のロフェプラミンであったと報告している。

血圧や不安がアロマフットマッサージで改善?

 自分でアロマフットマッサージを行うことで、平均収縮期血圧(SBP)および平均拡張期血圧(DBP)、状態不安スコアが有意に減少し、精神的健康に関連するQOLスコアも改善傾向がみられたことを岡山大学の江口依里氏らが報告した。アロマフットマッサージが、メンタルヘルスや血圧の改善に簡単かつ効果的な方法となるかもしれないという。PLoS One誌2016年3月24日号に掲載。

農水・厚労省の食事バランスガイドで死亡リスク低下/BMJ

 日本人対象の大規模前向きコホート研究の結果、食事のバランスが良い人ほど、全死因死亡リスクや心血管・脳血管疾患死リスクが低いことが明らかにされた。国立国際医療研究センターの黒谷佳代氏らが、約8万人を中央値15年追跡した結果で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表した。これまでに欧米人を対象に、より良い食事摂取が死亡リスクや主要慢性疾患リスクを低下することを示した試験結果はあるものの、アジア人を対象にした前向き試験は珍しいという。

遺伝子検査は生活習慣の改善に結び付くのか?/BMJ

 遺伝子検査が手軽に広く行われるようになる中、疾患リスクに関するDNAベースの推定情報の提供が、キーとなる保健行動(喫煙、食事、運動)変化の動機づけになるといわれるようになっているが、本当に期待できるのか。英国・ケンブリッジ大学のGareth J Hollands氏らが、同関連についてシステマティックレビューとメタ解析により調べた結果、そのような期待を支持するエビデンスは見つからなかったと報告した。同様の命題を掲げた検討は、2010年にMarteau TM氏らがCochraneレビューにて行い、「支持するエビデンスがない」と報告している。今回のHollands氏らの報告は、Marteau TM氏らの報告をアップデートしたもので、既存の7試験に11試験を加えて分析を行った結果であった。BMJ誌オンライン版2016年3月15日号掲載の報告。