内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:495

経口フルオロキノロン処方後10日間、網膜剥離リスク増大

 経口フルオロキノロン系抗菌薬の服用と網膜剥離のリスクが注目され、その関連が議論されている。フランスNational Agency for Medicines and Health Products Safety(ANSM)のFanny Raguideau氏らは、医療データベースを用いた疫学研究により、経口フルオロキノロン服用開始後10日以内に網膜剥離を発症するリスクが有意に高いことを明らかにした。著者は、「経口フルオロキノロンの服用と網膜剥離発症リスクとの関連について、さらに検討しなければならない」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年3月10日号の掲載報告。

診療所における高リスク処方を減らすための方策が立証された(解説:折笠 秀樹 氏)-503

このRCTでは特殊なデザイン、すなわちstepped wedge designというものを用いた。通常なら、介入を与えるか与えないかの2群間比較デザインだが、それでは与えない群のほうが不利となり、しかもオープン試験なので混乱しかねないため、どの診療所にも介入は与えられるが、その開始時期をずらすという変則的デザインを用いた。

自分のLDLコレステロール値、まずは知ることから

 サノフィ株式会社は3月10日、LDLコレステロールとそのリスクに関するプレスセミナーを都内で開催し、山下 静也氏(りんくう総合医療センター 病院長)が、「LDLコレステロールの本当の怖さ リスクと知ることの重要性」と題して講演を行った。また、欧州動脈硬化学会が実施したコレステロールに関する国際意識調査を基に、日本とEU 11ヵ国の比較分析を行った結果を、同社の宇野 希世子氏が発表した。

プライマリケアでのNSAID・抗血小板薬の高リスク処方を減らすには/NEJM

 プライマリケア診療所に対し、専門家によるリスクの高い処方に関する教育や、処方の見直しが必要な患者について医師に通知する情報システム、さらにそうした処方の見直しに対する金銭的インセンティブを与えるという複合的介入で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗血小板薬に関する高リスク処方が4割ほど減り、関連する入院の発生も減少したという。スコットランド・ダンディー大学のTobias Dreischulte氏らが、34ヵ所のプライマリケア診療所を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果、明らかにした。NEJM誌2016年3月17日号掲載の報告より。

IRIS試験:脳梗塞とピオグリタゾン-インスリン抵抗性改善薬が経た長い道のり-(解説:住谷 哲 氏)-500

本論文のタイトルを見た時には、2型糖尿病患者における脳梗塞(以下では虚血性脳卒中および一過性脳虚血発作を脳梗塞とする)の再発予防にピオグリタゾンが有効なのかと思ったが、正しくは「インスリン抵抗性および脳梗塞の既往を有する非糖尿病患者に対して、ピオグリタゾンの投与は脳梗塞または心筋梗塞の発症リスクを有意に抑制した」との内容である。

労働者のメタボ予防に効果的なのは

 余暇における身体活動の強度がメタボリックシンドロームに及ぼす影響についてのデータは少ない。また、職場や通勤時の身体活動がメタボリックシンドロームに及ぼす影響に関する前向き研究データはない。国立国際医療研究センターの桑原 恵介氏らは、日本の労働者において、余暇における運動の強度、および仕事中や通勤時の身体活動によるメタボリックシンドロームリスクを比較した。その結果、高強度のみの運動、または高強度と中強度の運動の組み合わせ、および職場における身体活動への介入が日本の労働者のメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性を示唆した。Endocrine誌オンライン版2016年3月7日号に掲載。

肥満治療薬naltrexone/bupropion合剤の安全性/JAMA

 過体重/肥満患者へのnaltrexone/bupropion組み合わせ治療は、主要有害心血管イベント(MACE)の発生について、プラセボとの比較において非劣性のマージン内であったことが、米国クリーブランド・クリニックセンターのSteven E. Nissen氏らによる、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照非劣性試験の結果、示された。ただし、著者は試験の検出力不足について指摘し、さらなる検討の必要性を提言している。肥満治療について、心血管アウトカムを評価した試験はほとんど行われていない。naltrexoneとbupropionはそれぞれ米国上市薬であるが、両者を組み合わせた肥満治療薬は心血管系の安全性について議論の的となっていた。JAMA誌2016年3月8日号掲載の報告。

降圧薬、アドヒアランス不良でCVD死亡リスク1.6倍以上

 降圧薬のアドヒアランス不良は、心血管疾患(虚血性心疾患・脳出血・脳梗塞)による死亡および入院リスクの上昇と有意な関連が認められることが、韓国・Korea Cancer Center HospitalのSoyeun Kim氏らによる研究で明らかになった。著者らは、実臨床における服薬アドヒアランス改善と監視システムの重要性を強調した。Hypertension誌2016年3月号の報告。

ベジタリアン/ヴィーガンダイエットって実際どうなの?

 ベジタリアンダイエットは虚血性心疾患とすべてのがんの発症および死亡リスクを、また、ヴィーガン(完全菜食主義)ダイエットはすべてのがんの発症リスクを有意に低下させることが、イタリア・フィレンツェ大学のMonica Dinu氏らによるメタ解析で明らかになった。Critical reviews in food science and nutrition誌オンライン版 2016年2月6日号の報告。