エナラプリル+葉酸、脳卒中を有意に低下/JAMA 降圧薬エナラプリル(商品名:レニベースほか)単独よりも、葉酸を併用したほうが、高血圧患者の脳卒中初発が有意に低下したことが報告された。中国・北京大学第一病院のYong Huo氏らが、同国高血圧患者で脳卒中または心筋梗塞の既往歴がない2万702例を対象に行った無作為化二重盲検試験CSPPTの結果、報告した。これまで、脳卒中1次予防に関する葉酸の効果については、データが限定的および一貫性がないため不明であった。JAMA誌オンライン版2015年3月15日号掲載の報告より。
循環器疾患 予防のための提案2つ 「2025年問題」―この言葉をご存じだろうか?これは団塊の世代が2025年に後期高齢者となるため、医療経済が大幅に圧迫されることを指す。10年後を見据えた今から行うべき取り組みを「予防医学」の観点から紹介する。
慢性脳卒中に期待、神経幹細胞治療 2015年3月19日、日本再生医療学会総会にて、米国・スタンフォード大学 脳神経外科 教授であるGary Steinberg氏が「Stem cell therapy for stroke(脳卒中の幹細胞治療)」と題して講演した。
慢性創傷には遠隔医療による専門家のアドバイスが有用 慢性創傷の管理はますます大きな問題となってきており、遠隔医療が効果的なアプローチとして広く認められている。これまで創傷管理における遠隔医療の臨床効果に関するエビデンスはなかったが、デンマーク・コペンハーゲン大学のKian Zarchi氏らは、前向き集団無作為化試験を行い、慢性創傷の管理の改善には、訪問看護師を創傷の専門家チームとつなげる遠隔医療の使用が有用であることを報告した。Journal of Investigative Dermatology誌2015年3月号(オンライン版2014年10月7日号)の掲載報告。
心房細動へのジゴキシン、死亡増大/Lancet 心房細動(AF)患者へのジゴキシン(商品名:ジゴシンほか)治療は、全死因死亡、血管系による死亡、および突然死の有意な増大と関係していることが、Jeffrey B Washam氏らが行ったROCKET AF被験者データの後ろ向き分析で示された。関連は、他の予後因子とは独立しており、著者は「残余交絡の影響の可能性も示唆されたが、ジゴキシンの影響の可能性が示された。心不全あり・なしのAF患者で、ジゴキシン治療の無作為化試験を行う必要がある」と報告している。ジゴキシンは、無作為化試験のデータが不足しているにもかかわらずAF患者に広く使われている。Lancet誌オンライン版2015年3月5日号掲載の報告。
ざ瘡へのスピロノラクトン 高カリウム血症は心配なし? ホルモン作用に起因するざ瘡に対して、スピロノラクトンを健康な若年女性に投与したところ、高カリウム血症は増加しなかったことが、米国ハーバード大学ブリガム&ウィメンズ病院のMolly Plovanich氏らにより報告された。JAMA Dermatology誌2015年3月22日号の掲載報告。
多面的な介入、認知機能改善や維持に有効/Lancet 認知症リスクが高い高齢者に対して、食事や運動などの生活習慣および血管リスクモニタリングといった多面的な介入を行うことで、認知機能の改善あるいは維持が可能であることが実証された。フィンランド国立健康福祉センターのTiia Ngandu氏らが、同国一般市民を対象とした二重盲検無作為化対照比較試験FINGERの結果、報告した。Lancet誌オンライン版2015年3月11日号掲載の報告より。
腰痛は患者の心身を悪化させ医療費を増やす:日本発エビデンス 世界の疾病負担研究(Global Burden of Diseases)によれば、腰痛は世界的に障害の主な原因となっている。米国・ファイザー社のAlesia B Sadosky氏らはNational Health and Wellness Survey(NHWS)を行い、日本人において腰痛の重症度は健康状態の悪化と有意に関連していることを明らかにした。臨床との関連のみならず、間接および直接経費との関連も示されている。Journal of Pain Research誌2015年2月25日の掲載報告。
【日本発】FRAXの骨折予測精度を高める方法 骨折リスク評価ツールFRAXは骨折リスクの評価に利用されているが、その精度は十分とはいえず、改善が望まれている。 そこで近畿大学の伊木 雅之氏らは、12の地域に住む65歳以上の高齢日本人男性2,000人を対象に、FRAXを補完する手段として海綿骨スコア(TBS)が有用であるかどうかの調査を行った。 その結果、TBSはFRAXと組み合わせることで予測精度を向上させる可能性が示唆された。Osteoporos Int誌 オンライン版2015年3月10日掲載の報告。
アログリプチン、心不全リスク増大せず:EXAMINE試験の事後解析結果/Lancet 2型糖尿病で直近に急性冠症候群(ACS)を発症した患者について、DPP-4阻害薬アログリプチン(商品名:ネシーナ)は心不全リスクを増大しないことが示された。フランス・ロレーヌ大学のFaiez Zannad氏らがEXAMINE試験の事後解析を行い明らかにした。同試験では、2型糖尿病で直近にACSを発症した患者の主要有害心血管イベント(MACE)について、アログリプチンがプラセボに対して非劣性であることが示された。しかし、他のDPP-4阻害薬試験で院内心不全の過剰な発生に対する懸念が報告され、研究グループは本検討を行った。Lancet誌オンライン版2015年3月9日号掲載の報告より。 EXAMINEは、2009年10月~2013年3月に49ヵ国898施設から被験者を登録して行われた多施設共同無作為化二重盲検試験であった。被験者は、2型糖尿病と直近15~90日以内にACSイベントを経験した患者で、糖尿病と心血管疾患予防のためアログリプチンまたはプラセボ+標準治療に無作為に割り付けられた。