内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:531

髄膜炎ワクチン、費用対効果は?/BMJ

 英国・ブリストル大学のHannah Christensen氏らは、髄膜炎菌血清群Bワクチン「Bexsero」接種導入の費用対効果について、英国民0~99歳を接種対象としたモデル研究の再評価を行った。結果、乳児への定期接種が最も効果がある短期的戦略であり低費用で費用対効果があるとしたうえで、長期的戦略の可能性として、乳児と青年への接種プログラムが大幅な症例削減につながることを報告した。同ワクチンは欧州で2013年1月に承認され、英国では同年7月にJoint Committee on Vaccination and Immunisationが、先行研究から費用対効果があるとして導入を助言。それに対し、導入を呼びかけてきた慈善団体や臨床医、研究者や政治家から費用対効果について十分な再検証を求める声が上がり本検討が行われたという。BMJ誌オンライン版2014年10月9日号掲載の報告。

新たな鳥インフルエンザワクチン Anhuiの免疫原性/JAMA

 米国・ワシントン大学医学部のRobert B. Belshe氏らは無作為化試験にて、最新の鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス株であるA/Anhui/01/2005(安徽株)を抗原株とした不活化インフルエンザワクチンの免疫原性と安全性を評価した。被験者は、米国FDAが新型インフルエンザのパンデミックワクチンとして承認している、A/Vietnam/1203/2004(ベトナム株)ワクチン(90μg、アジュバント非添加、2回接種)を1年前に接種した人であった。また同ワクチン未接種者に対する安徽株ワクチン(MF59アジュバント添加・非添加)の評価を行った。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。

スタチン試験、企業バイアスなし/BMJ

 スタチン試験への「資金提供企業のスポンサーバイアス」を調べたが、資金提供がされていない試験との比較で、スタチンによるLDLコレステロール(LDL-C)低下効果の差はみられなかった。効果の違いは用量の差によるもので、高用量であること低下値が大きかった。英国・London School of Economics and Political ScienceのHuseyin Naci氏らが、システマティックレビューとネットワークメタ解析で、スタチンのLDL-C低下効果を検討した無作為化試験183件を評価し報告した。BMJ誌オンライン版2014年10月3日号掲載の報告より。

メディカルフードのセラミン、痛みと炎症を改善

 セラミン(Theramine、アミノ酸混合物68405-1:AAB)は、米国において医師の処方によってのみ使用することができるメディカルフードで、神経伝達物質前駆体(アミノ酸)からの神経伝達物質合成が増加する。開発者である米国・ターゲットメディカルファーマ社のWilliam E Shell氏らは、セラミンが慢性腰痛の著明改善と炎症の軽減をもたらすことを無作為化二重盲検比較試験により明らかにした。血中における神経伝達物質の増加と腰痛改善との関連が示唆されるという。American Journal of Therapeutics誌オンライン版2014年9月18日号の掲載報告。

認知症の精神症状、さらなる評価が必要

 認知症をめぐる精神神経症状は、介護者のストレス、および施設入所を決定付ける主要因子である。しかし、その有病率、また薬物療法や介護者ストレス、さらにプライマリケア資源利用との関連については、ほぼ不明である。ドイツ・ロストック大学のStefan J. Teipel氏らは、プライマリケア介入試験から抽出したサンプルで、それらを明らかにする検討を行った。結果、プライマリケアの介入デザインにおいて、さらなる精神神経症状への介入を強調する所見が得られたことを報告した。International Psychogeriatrics誌オンライン版2014年9月23日号の掲載報告。

世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見

 今夏、日本国内で、海外渡航歴がないにもかかわらずデング熱を発症した患者が発見された。日本国内での感染は1940年代前半の流行以来、実に約70年ぶりであり、患者数は158人に上った(2014年10月14日現在)。全世界では、現在25億人以上がデング熱流行地で生活している。そして、年間5,000万人以上がデング熱を発症しており、近年急速な広がりをみせている。