日本イーライリリー株式会社は、フルタイム勤務で、複数の経口薬のみで治療中の40~50代の2型糖尿病患者、390名を対象に意識調査を実施、その結果を発表した。
調査の結果、働き盛りの糖尿病患者では、多忙や不規則な生活で必ずしも医師の指示通り服薬ができていないことが明らかになった。また、ライフスタイルに合わせた治療を望んでおり、外出先での服薬をなくしたり、服薬回数の多さを考慮することが、治療継続のポイントと考えていることがわかった。
調査概要
対象:2剤以上の経口薬のみで2型糖尿病治療中の40~59歳のフルタイム勤務の患者
地域:全国
調査手法:インターネット調査
有効回答数:390名(経口薬2剤服薬130名、3剤服薬130名、4剤以上服薬130名)
調査時期:2015年7月28日~30日
調査結果の概要
【服薬の順守状況】
Q 医師の指示通り治療薬を飲むことができていますか?(n=390)
「きちんと飲めている」(44.9%)、「たまに飲めない」(48.2%)、「半々で飲めない」(4.9%)
Q どのタイミングで飲めないことが多いですか?(複数回答、n=215)
「平日の夕食後」(28.8%)、「休日の夕食後」(20.9%)、「休日の朝食後」(17.7%)
Q 飲めない理由について当てはまるものを選択肢から選んでください(複数回答、n=215)
「外出先に持っていき忘れる」(57.2%)、「食事が不規則だったり一食抜いてしまう」(42.8%)、「忙しくて飲み忘れてしまうことがある」(33.5%)
Q 目標血糖値を達成できていますか?(n=390)
「達成できている」(10%)、「まあまあ達成できている」(32.3%)、「どちらともいえない」(18.5%)
【治療への積極的参加意識】
Q 生活状況やスタイルに合う糖尿病治療があったらいいと思いますか?(n=390)
「はい」(93.6%)、「いいえ」(6.4%)
Q 生活状況やスタイルに合う糖尿病治療について主治医と話したり、相談したことはありますか?(n=390)
「はい」(37.8%)、「いいえ」(62.2%)
Q 前記の質問で主治医と相談しない理由は何ですか?(複数回答、n=227)
「薬の量や飲む回数が多いのは仕方がないから」(47.6%)、「なんとなく話しにくい」(24.2%)、「病院へいけない」(10.6%)
【今後の治療について】
Q 医師から注射薬の提案を受けたことはありますか?(n=390)
「はい」(10.5%)、「いいえ」(89.5%)
Q 注射に対する抵抗感はありますか?(n=390)
「とてもある」(53.8%)、「ややある」(27.4%)、「どちらともいえない」(12.6%)
Q 注射に抵抗感を感じる理由は何ですか?(複数回答、n=317)
「面倒そう」(62.8%)、「重症な感じがする」(56.8%)、「忙しい生活の中で飲み薬との両立が難しそう」(42.3%)
Q よい血糖コントロールのため医師から2つの勧めがあった場合、どちらを選択しますか?(n=390)
「飲む回数が増えるが、治療効果の高い飲み薬の追加服薬」(87.2%)、「治療効果が高い週1回だけの注射薬の追加」(12.8%)
Q 前記の質問で注射を選んだ理由について(複数回答、n=50)
「週1回ならできそう」(52.0%)、「効き目がありそう」(34.0%)、「服薬回数を増やしたくない」(32.0%)
Q 働きながら糖尿病治療をするにあたり、どのようなことが継続していけるポイントですか?(複数回答、n=390)
「効果が実感できる薬」(54.9%)、「外出中に服薬したり、注射の必要がない」(52.1%)、「薬の回数が少ない」(44.4%)
【まとめ】
今回の調査結果から、働き盛りのフルタイム勤務の2型糖尿病患者では、指示通りに処方された薬を飲めている患者は半数以下だった。また、半数以上の患者が目標血糖値の達成ができていないことが明らかになった。さらに、自身の生活状況や生活スタイルに合った治療を望んでいるものの、服薬の量や回数に関しては「仕方がない」と思っており、多くが医師などへの相談まで至っていないことが判明した。
注射に対する抵抗感は依然高く、医師から提案されたことがある患者もわずか1割程度だった。働きながら糖尿病治療を続けるには、「効果が実感できる薬である」、「外出中に薬を飲んだり、注射したりする必要がない」と回答していることから、今後の治療では、服薬回数やタイミングなどを相談し、働きながらもQOLが向上できるような治療を医療従事者と患者がコミュニケーションを取りつつ、進めていくことが期待される。
日本イーライリリー株式会社のプレスリリースは
こちら。(調査結果PDFがダウンロードされます)