内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:546

非喫煙者にも広がる電子タバコ

 電子タバコ愛用者は増えているのか。米国・ミシシッピ大学のRobert C McMillen氏らは、米国成人を対象に、電子タバコ使用の人口統計学的予測因子、および電子タバコ使用者の喫煙状況について検討した。その結果、2010年からの4年間で電子タバコが急速に普及していること、電子タバコ使用者の3分の1は非喫煙者や過去喫煙者などであり、電子タバコがニコチン摂取や再習慣化につながっている現状が明らかになった。Nicotine & tobacco research誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。

長時間労働は多量飲酒につながる/BMJ

 労働時間が標準勧告を超えて長くなると、アルコール飲用量が健康リスクを引き起こすレベルにまで増加する可能性が高くなることが、フィンランド労働衛生研究所のMarianna Virtanen氏らの検討で示された。欧州労働時間指令の勧告では、労働時間の上限は週48時間とされる。長時間労働は、心疾患、睡眠不足、就業中のけが、精神健康問題のリスクを増大させると考えられ、危険な飲酒は常習的欠勤、仕事の非効率化や成績不振、意思決定の障害、顧客との関係悪化などの悪影響をもたらすとされるが、労働時間と危険な飲酒の関連を系統的に評価した研究はこれまでなかったという。BMJ誌オンライン版2015年1月13日号掲載の報告より。

脱毛症の人はあのリスクが上昇

 脱毛症は、冠状動脈性心疾患のリスク上昇と関連し、脱毛症の重症度が高いほど、冠状動脈性心疾患のリスクも上昇する可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のNelson Trieu氏らによる研究で明らかになった。また、脱毛症は高血圧、高インスリン血症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームのリスク上昇、血清総コレステロール値・トリグリセリド値の上昇とも関連が認められた。International journal of cardiology誌2014年10月20日号の報告。

吸わない人のほうが幸福感が大きい

 ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAndrew Stickley氏らは、旧ソ連の9ヵ国のデータを使用し、男性の喫煙率と喫煙関連死亡率の高い集団において、喫煙やニコチン依存と幸福感との関連について検討した。その結果、喫煙は低い幸福感と関連していることが認められ、喫煙が高い幸福感と関連するという見解とは矛盾していた。著者らは「旧ソ連諸国の政策との関連から、喫煙が健康に有害な影響を及ぼすという社会的認識が不足していた。しかし、最近の報告では禁煙を望む人が増えており、禁煙が身体的・精神的な健康につながることを強調することで、今回の知見を公衆衛生の取り組みに生かしていくべき」と指摘している。Tobacco control誌オンライン版2015年1月6日号に掲載。

牛乳の適正利用については地域差・人種差を 踏まえた議論が必要(解説:細井 孝之 氏)-298

 この論文はスウェーデンの大規模コホートを対象として、牛乳摂取と骨折や死亡リスクとの関連を検討したものである。牛乳の多量摂取が、骨折頻度のみならず死亡リスクを上昇させたという結果を提示しており、「牛乳は健康によい」という一般的な理解に反する報告として注目を浴びた。その後さまざまなコメントが発せられた。それらは大きく2つに分けられる。

食後血糖の上昇が低い低glycemic index(GI)の代謝指標への影響(解説:吉岡 成人 氏)-297

 EBMならぬ“Advertising based medicine”の領域では、15年ほど前から「糖尿病患者における食後高血糖は虚血性心疾患のリスクファクターである」というキャッチコピーが飛び交い、多くの医療従事者たちに事実とは異なる情報を提供している。確かに、経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)を実施した際の2時間値は心血管イベントや死亡のリスクであることが、DECODE(Diabetes Epidemiology; Collaborative analysis of Diagnostic criteria in Europe)study 、舟形町研究など、欧州のみならず日本においても、多くの疫学研究で確認されている。