内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:69

糖質制限or脂質制限、向いている食事療法を予測/京都医療センター

 米国糖尿病予防プログラム(DPP)やフィンランド糖尿病予防研究では低脂肪食が糖尿病に有効との報告がある一方で、糖質制限が減量に有効であるとの報告もある。それでは、目の前の患者さんにどのような食事療法を指導していけばいいのだろうか。  この問題を解決するために、坂根 直樹氏(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室)らの研究グループは、PwCグループが開発した膵臓・肝臓・脂肪など臓器間のネットワークを含めたシミュレーションモデル(機序計算モデル)を用いて、糖尿病の食事療法の個別化分析を行った。PLoS One誌2023年11月30日の報告。

パクスロビド投与後のCOVID-19再発リスクは高い?

 抗ウイルス薬のパクスロビド(一般名ニルマトレルビル・リトナビル、日本での商品名パキロビッドパック)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化予防に有効ではあるが、その反面、再発リスクを著しく高める可能性のあることが、新たな研究で明らかにされた。パクスロビドを投与されたおよそ5人に1人で、そのようなウイルス学的なリバウンドが認められたという。米マサチューセッツ総合病院の感染症専門医であるMark Siedner氏らによるこの研究の詳細は、「Annals of Internal Medicine」に11月14日掲載された。

座って過ごすことは眠っているよりも心臓の健康に悪い

 心臓の健康にとって、座って過ごすことほど悪いことはないことが、新たな研究で確認された。研究論文の筆頭著者である、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)スポーツ・運動・健康研究所のJoanna Blodgett氏は、「われわれの研究から得られた大きな収穫は、活動量を少し増やすだけでも心臓の健康に良い影響を与えることができるということと、その強度も重要だということだ」と述べている。Blodgett氏らの研究では、心臓の健康に最も効果的なのは、たとえ数分でも、座って過ごす時間をランニングや早歩きなどの心拍数と呼吸数を上げるような中等度から高強度の運動(moderate to vigorous physical activity;MVPA)に置き換えることであり、立っていることや眠っていることでさえ、座っているよりは良いことが示されたという。この研究結果は、「European Heart Journal」に11月10日掲載された。

コロナ・インフル同時迅速検査キットを発売/Meiji Seika・ロート

 Meiji Seika ファルマは12月5日付のプレスリリースにて、ロート製薬が10月13日に製造販売承認を取得した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)・インフルエンザウイルス抗原迅速検査キット「チェックMR-COV19+Flu」を発売したことを発表した。  本検査キットはイムノクロマト法によるもので、特別な測定機器を必要とせず、鼻咽頭ぬぐい液および鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原およびB型インフルエンザウイルス抗原を同時検出することができる。1つのキットで15分(陽性の場合は3~15分)と、迅速かつ簡便に検査を行うことができ、診断時間の短縮と負担軽減につなげる。本製品の測定原理は金コロイドクロマト免疫測定法。有効期限は24ヵ月で、1パッケージに10テスト分を包装。  Meiji Seika ファルマは、ロート製薬と締結した販売提携契約に基づき、本製品の国内での流通、販売、プロモーションを行う。

ファイザーXBB.1.5対応コロナワクチン、流行中の各変異株に有効

 2023年9月に欧米諸国や日本で承認となったファイザーのオミクロン株XBB.1.5対応新型コロナワクチン(BNT162b2 XBB.1.5)の効果を検証するため、ドイツ・Hannover Medical SchoolのMetodi V Stankov氏らの研究チームは、本ワクチン30μgを接種した医療従事者53人について、接種から8~10日後の免疫応答を解析した。その結果、すべての接種者において抗スパイクIgG抗体が大幅に増加し、現在流行しているSARS-CoV-2の各系統に対する強力な中和反応が誘発されたことが示された。The Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2023年11月20日号掲載の報告。

オミクロン株感染で脳が変化、認知機能に影響か

 新型コロナウイルスのオミクロン株による感染後急性期の脳への影響はわかっていない。今回、中国・Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのYanyao Du氏らが、オミクロン株感染後の男性患者における臨床症状、灰白質と皮質下核の変化を調べたところ、急性期に左楔前部と右後頭外側部の灰白質厚と、頭蓋内総容積に対する右海馬容積の割合が大幅に減少していたことがわかった。また、灰白質厚と皮質下核容積損傷が不安や認知機能と有意に関連することが示された。JAMA Network Open誌2023年11月30日号に掲載。

日本の大学病院の外来における睡眠薬の処方傾向

 日本では、不眠症治療のための1日当たりの睡眠薬の投与量が年々増加しており、睡眠薬治療への過度な依存が大きな問題となっている。久留米大学の加藤 隆郎氏らは、自院において、1年間で3種類以上の睡眠薬を減量・中止するために必要な要因の検討を試みた。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年11月9日号の報告。  次の2つの調査が実施された。調査1では、2013年1月~2019年3月に一般外来および精神科外来を受診したすべての患者の診療データをレトロスペクティブに調査し、3種類以上の睡眠薬の処方頻度を評価した。調査2では、2013年4月~2019年3月に精神科外来を複数回受診し、3種類以上の睡眠薬を処方されたすべての患者の診療データをレトロスペクティブに調査し、その後1年間の睡眠薬と向精神薬の処方変化を評価した。

コロナ罹患後症状におけるワクチン有効性、3回接種で73%/BMJ

 感染前の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種と、罹患後症状(Post-COVID-19 Condition:PCC)の診断を受けるリスクの低下には強い関連性があることが、スウェーデン・ヨーテボリ大学のLisa Lundberg-Morris氏らが、スウェーデン住民約59万人を対象に行った住民ベースコホート試験「Swedish Covid-19 Investigation for Future Insights-a Population Epidemiology Approach using Register Linkage:SCIFI-PEARLプロジェクト」の結果で示された。著者は「試験の結果は、PCCの集団的負荷を軽減するために、ワクチン接種の重要性を強調するものである」と述べている。BMJ誌2023年11月22日号掲載の報告。

デバイスによる無症候の心房細動にもDOACは有効?(解説:後藤信哉氏)

症候性の心房細動にて脳卒中リスクの高い症例では、PT-INR 2-3を標的としたワルファリン治療よりもDOACの1つであるアピキサバンが安全、かつ有効であることがARISTOTLE試験により証明された。ICDなどを入れ込まれた症例では無症候の心房細動も検出できる。無症候のdevice detected AFに対する標準治療は確立されていない。本研究は無症候のdevice detected AFを対象として、アピキサバンの脳卒中・全身塞栓症予防効果をアスピリンと比較した無作為二重盲検ランダム化比較試験の結果である。

毎日のナッツ摂取は生殖能力を上げるか

 ナッツ類には、オメガ3系多価不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールが豊富に含まれているため、定期的な摂取は健康に良いとされている。では、ナッツは生殖機能の改善にも貢献するのであろうか。オーストラリア・モナシュ大学栄養・栄養摂取・食物学科のBarbara R. Cardoso氏らの研究グループは、ナッツ類の摂取と生殖能力の系統的レビューおよびメタ解析を行った。その結果、栄養学的にナッツの摂取が生殖能力を高めることが示唆された。Advances in Nutrition誌オンライン版2023年11月17日号に掲載。