神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:124

アルツハイマー病の味覚障害は老化によるものか:滋賀医大

 アルツハイマー型認知症(AD)は、病理学的に脳内の大規模なニューロン損失により特徴づけられ、味覚野が影響を受けると考えられる。しかし、AD患者における味覚機能に関する報告は少なく、この研究結果は矛盾していることから、滋賀医科大学の小河 孝夫氏らが、プロスペクティブ研究により検討を行った。Auris, nasus, larynx誌オンライン版2016年7月11日号の報告。

大学内の髄膜炎集団感染における新規ワクチンの免疫原性/NEJM

 血清群B(B群)髄膜炎菌ワクチン4CMenBを接種された大学生において、B群髄膜炎菌による髄膜炎菌疾患の症例は報告されなかったが、接種者の33.9%は、2回目のワクチン接種後8週時において流行株に対する免疫原性(血清殺菌性抗体価の上昇)は認められなかったという。2013年12月、米国のある大学でB群髄膜炎菌の集団感染が発生したため、米国FDAの特別な配慮により承認前の4CMenBワクチンが使用された。本報告は、これを受けて米国・ミネソタ大学のNicole E. Basta氏らが集団感染発生中に、4CMenBにより誘導された免疫反応を定量化する目的で血清陽性率を調査し、その結果を報告したもの。集団感染の分離株が、ワクチン抗原(H因子結合タンパク質[fHbp]およびナイセリアヘパリン結合抗原[NHBA])と近縁の抗原を発現していたことから、ワクチン接種により流行を抑えることができるのではないかと期待されていた。NEJM誌2016年7月21日号掲載の報告。

認知症の重症度を検出するスーパーマーケット課題

 認知症スクリーニング検査the Rapid Dementia Screening Test日本語版(RDST-J)に含まれるスーパーマーケット課題は、スーパーマーケットで購入可能な物品の単語を迅速(1分間)に回答するテストである。このタスクは、クラスタサイズやスイッチを調べることができる。東京・駒木野病院の森山 泰氏らは、アルツハイマー病患者における認知症の重症度とスーパーマーケット課題のクラスタサイズや転換との関連を検討した。Psychogeriatrics誌オンライン版2016年6月30日号の報告。

新医療機器―早期の解禁と安全面の担保、どちらを優先しますか?(解説:折笠 秀樹 氏)-566

EU・米国で認可された医療機器の安全性に関する報告があった。EU・米国で認可された309件の医療機器を調査した。EUで先に認可された機器に安全面の問題が多かった、という結論である。安全面の報告レベルには、安全性警告(Safety Alert)・回収(Recall)・撤収(Withdrawal)の3種類が知られる。この順に厳しくなっている。本研究では、安全性警告・回収の割合をEU・米国で比較した。EU先行認可の機器では27%(=62/232件)、米国先行認可の機器では14%(=11/77件)であり、EUで先に認可された医療機器に安全面の懸念がうかがわれた。