神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:122

若年性認知症の診断、どうあるべき―医師、患者の観点から

 高齢化と結び付けて考えられるのが“常識”となっている認知症。はたして本当にそうなのだろうか。先月、都内で日本イーライリリー株式会社がプレスセミナーを開催し、専門医による認知症の診断や治療をめぐる現状と課題についての講演と、若年性認知症の診断を受けた当事者が、診断を取り巻く環境や自身の体験について語るディスカッションが行われた。

各認知症の重症度とBPSD:大阪大

 認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)は、認知症者の予後に負の影響を及ぼし、介護者の負担を増大させる。大阪大学の數井 裕光氏らは、4つの主要な認知症において疾患重症度別に12種類のBPSD経過の違いを明確化し、日本多施設研究(J-BIRD)のデータを用いBPSDの頻度、重症度、介護者の負担を示すグラフを開発した。PLOS ONE誌2016年8月18日号の報告。

レビー小体型とアルツハイマー型認知症、脳血管病変の違いは

 MRI上の脳血管病変は、アルツハイマー型認知症(AD)では一般的であるが、レビー小体型認知症(DLB)における頻度や影響はあまり知られていない。米国・メイヨークリニックのLidia Sarro氏らは、DLB患者の脳血管病変に関して検討を行った。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2016年8月10日号の報告。  連続したDLB患者81例、AD患者240例のMRIによる白質病変(WMHs)と梗塞を評価し、年齢、性別をマッチさせた認知機能正常者(CN)との比較を行った。

本態性振戦に集束超音波視床破壊術は有効/NEJM

 薬剤難治性本態性振戦に対し、MRIガイド下集束超音波療法による視床破壊術が有効であることが確認された。同治療法により手の振戦が減少し、副作用は感覚障害や歩行障害などであった。米国・ヴァージニア大学のW. Jeffrey Elias氏らが、中等度~重度の本態性振戦患者を対象に二重盲検無作為化比較試験を行い明らかにしたもの。同氏らは、パイロット試験で本態性振戦に対する集束超音波視床破壊術の効果を示唆していた。NEJM誌2016年8月25日号掲載の報告。

認知症の世界的トレンドはどうなっているか

 今後の認知症拡大に関する予測では、年齢特異的および性特異的有病率に経時的な変化はなく、予測される認知症者増加を推進するのは高齢化のみと仮定されている。しかし、この仮定の根拠は疑わしく、傾向変動(長期における有病率の緩やかな減少または増加)は妥当であると考えられる。英国・ロンドン大学精神医学研究所のMartin Prince氏らは、認知症の有病率や発症率に関する世界的な傾向を分析した。Alzheimer's research & therapy誌2016年7月30日号の報告。

長生きしても認知症にならないためにできること

 平均寿命が上昇し続けている現代社会において、晩年の認知機能低下や認知症を予防することができる修正可能なライフスタイルの要因を特定することは、老後の生活の質を維持するうえで重要である。英国・ノッティンガム大学のLauren A Yates氏らは、将来の認知症や認知機能障害のリスクと認知余暇活動について、システマティックレビュー、メタ解析を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年8月9日号の報告。