高齢がん患者、認知機能障害だと2年死亡率が6倍 高齢がん患者でがん治療開始時に認知機能障害であった場合、生存率にはどのくらい影響するのだろうか。ベルギー・ブリュッセル自由大学のYves Libert氏らは、縦断的な2年間の追跡調査により、認知機能障害のある高齢患者はそうでない患者に比べ、がん治療開始後の2年間で死亡するリスクが6倍であったことを報告した。著者らは、高齢患者の罹患率と死亡率を減らすための介入ができるように、がん治療開始時に認知機能障害についてスクリーニングすべきとしている。PLOS ONE誌2016年8月1日号に掲載。
てんかん患者の運動、その利点と障害とは てんかん患者の運動に関する利点と障害について、定量的手段を用いた研究は行われている。しかし、定性的調査を用いての個人的経験の検討は不十分である。英国・ローハンプトン大学のSarah S Collard氏らは、経時的にてんかん患者の運動についてのナラティブを提示し、てんかん患者の運動に対する心理社会的影響をさらに理解するための報告を行った。Epilepsy & behavior誌2016年8月号の報告。
多面的な心血管リスク対策で認知症を防げるか?/Lancet 無作為に抽出した高齢者において、看護師主導による心血管リスク因子に焦点を絞った多面的な介入は、認知症発症率の減少には至らなかった。オランダ・Academic Medical CenterのEric P Moll van Charante氏らが、The Prevention of Dementia by Intensive Vascular care trial(preDIVA試験)の結果、報告した。先行研究では、心血管リスク因子の改善が認知症を予防する可能性が示唆されていた。今回の研究で介入の効果を確認できなかった理由について著者は、「ベースライン時、すでに軽度の心血管リスクを有し、プライマリケアで高い水準のリスク管理が行われていたことによる」と考察したうえで、未治療の高血圧患者においては介入により臨床的に意味のある効果が得られていることから、「今後は選択された集団で介入の有効性を評価すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年7月26日号掲載の報告。
アルツハイマー病の味覚障害は老化によるものか:滋賀医大 アルツハイマー型認知症(AD)は、病理学的に脳内の大規模なニューロン損失により特徴づけられ、味覚野が影響を受けると考えられる。しかし、AD患者における味覚機能に関する報告は少なく、この研究結果は矛盾していることから、滋賀医科大学の小河 孝夫氏らが、プロスペクティブ研究により検討を行った。Auris, nasus, larynx誌オンライン版2016年7月11日号の報告。
大学内の髄膜炎集団感染における新規ワクチンの免疫原性/NEJM 血清群B(B群)髄膜炎菌ワクチン4CMenBを接種された大学生において、B群髄膜炎菌による髄膜炎菌疾患の症例は報告されなかったが、接種者の33.9%は、2回目のワクチン接種後8週時において流行株に対する免疫原性(血清殺菌性抗体価の上昇)は認められなかったという。2013年12月、米国のある大学でB群髄膜炎菌の集団感染が発生したため、米国FDAの特別な配慮により承認前の4CMenBワクチンが使用された。本報告は、これを受けて米国・ミネソタ大学のNicole E. Basta氏らが集団感染発生中に、4CMenBにより誘導された免疫反応を定量化する目的で血清陽性率を調査し、その結果を報告したもの。集団感染の分離株が、ワクチン抗原(H因子結合タンパク質[fHbp]およびナイセリアヘパリン結合抗原[NHBA])と近縁の抗原を発現していたことから、ワクチン接種により流行を抑えることができるのではないかと期待されていた。NEJM誌2016年7月21日号掲載の報告。
成人てんかんに対するガイドライン準拠状況は 臨床実践ガイドライン「first epileptic seizure and epilepsy in adulthood」が、2008年に発表された。ドイツ・Gesundheitsforen LeipzigのJulia Ertl氏らは、2008~14年に新規に診断されたてんかん患者における、本ガイドラインの実施状況を検討した。Seizure誌オンライン版2016年7月11日号の報告。
認知症の重症度を検出するスーパーマーケット課題 認知症スクリーニング検査the Rapid Dementia Screening Test日本語版(RDST-J)に含まれるスーパーマーケット課題は、スーパーマーケットで購入可能な物品の単語を迅速(1分間)に回答するテストである。このタスクは、クラスタサイズやスイッチを調べることができる。東京・駒木野病院の森山 泰氏らは、アルツハイマー病患者における認知症の重症度とスーパーマーケット課題のクラスタサイズや転換との関連を検討した。Psychogeriatrics誌オンライン版2016年6月30日号の報告。
てんかん患者の性的問題の現状 てんかん患者において、性機能不全は重大な問題であるが、しばしば軽視されている。ノルウェー・オスロ大学病院のOliver J Henning氏らは、てんかん患者の性的問題の有病率やタイプを調査し、一般集団の代表的なサンプルより得られた同様のデータとの比較を行った。Epilepsy & behavior誌オンライン版2016年6月29日号の報告。