神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:128

アルツハイマー介護負担、日本と台湾での比較:熊本大学

 台湾におけるアルツハイマー病(AD)の介護負担は、日本と同様に緊急の社会的課題となっている。介護負担の比較は、それぞれの国における介護者の負担感を明確にする可能性がある。熊本大学の松下 正輝氏らは、日本と台湾のADに対する介護負担の比較を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年1月28日号の報告。

認知症発症率は過去30年間で低下:フラミンガム心臓研究/NEJM

 フラミンガム心臓研究の参加者では、30年間に認知症の発症率が経時的に低下していることが、米国・ボストン大学医学部のClaudia L Satizabal氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2016年2月11日号に掲載された。認知症の有病率と関連医療費は、平均寿命の延長に伴い急速に増加すると予測されているが、高所得国では年齢別の認知症発症率(=特定の年齢層における認知症リスク)が減少しているという。時間的傾向(temporal trend)は、典型的な地域のサンプル集団において、新規の症例を一貫性のある診断基準を用いて継続的にモニタリングすることで信頼性が最も高くなるが、この条件を満たす既報のデータは限られている。

一次性進行型MSに対するフィンゴリモドの有用性/Lancet

 一次性進行型多発性硬化症(PPMS)に対するフィンゴリモド(スフィンゴシン-1-リン酸受容体調節薬)の安全性と有効性を検証した第III相試験「INFORMS」の最終結果が報告された。フィンゴリモドによる抗炎症療法は、PPMSの病態進行を抑制しないことが示された。試験報告を行った米国マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のFred Lublin氏らは、結果を踏まえて「PPMSの治療は、再発性MSとは異なるアプローチが必要である」とまとめている。フィンゴリモドは、再発性MSおよび二次性進行型MSに有効であることから、PPMSに対しても同様の効果が期待されていた。Lancet誌オンライン版2016年1月27日号掲載の報告。

魚介類が持っている水銀、認知症とは関連せず/JAMA

 魚介類摂取頻度が増えると、脳内水銀量は増加するものの、アルツハイマー型認知症を示唆する脳神経病理とは関連しない。また、アポリポ蛋白E(APOEε4)遺伝子を持つ人では、魚介類摂取がアルツハイマー病リスクの軽減とつながっていることを、米国・ラッシュ大学メディカルセンターのMartha Clare Morris氏らが、高齢者286例の剖検脳と生前の魚介類摂取頻度との関連を分析した結果、明らかにした。JAMA誌2016年2月2日号掲載の報告より。

各認知症と尿酸との関連を分析

 血清尿酸(sUA)レベルと認知障害および認知症は関連しうる。この関連性は、認知症のサブタイプによってさまざまで、とくに脳血管性認知症(VaD)とアルツハイマー病(AD)やパーキンソン病関連認知症(PDD)との間では異なる。英国・グラスゴー大学のAamir A Khan氏らは、システマティックレビューとメタ解析により、sUAと認知障害および認知症との関連についてのすべての公開データを統合することを目的とし、検討を行った。Age (Dordrecht, Netherlands)誌2016年2月号(オンライン版2016年1月28日号)の報告。

ベンゾジアゼピン系薬は高齢者の認知症リスクを高めるか/BMJ

 ベンゾジアゼピン系薬の累積使用量が少ない場合に認知症のリスクはわずかに高まるが、多い場合はこの関連が認められないことが、米・ワシントン大学のShelly L Gray氏らによる地域住民ベースの前向きコホート研究で明らかとなった。著者は、「この結果は、ベンゾジアゼピン系薬と認知症との因果関係を支持しないものだ」と結論付けている。高齢者では、転倒、骨折、せん妄のリスクがあるためベンゾジアゼピン系薬の投与は推奨されていない。にもかかわらず、睡眠障害や不穏等に対する使用は、年齢とともに増えているのが現状である。これまでの研究で、ベンゾジアゼピン系薬の投与が認知症リスクの増加と関連していることが示唆されていたが、長期の使用が認知症や認知機能低下と関連しているかどうかは不明であった。BMJ誌オンライン版2016年2月2日号掲載の報告。