ヒトの機械知覚(mechanosensation)を司る遺伝子PIEZO2を特定したことを、米国立補完統合衛生センター(NCCIH)のAlexander T. Chesler氏らが発表した。機械知覚とは、感知能力(触覚と自己受容によって認知範囲が喚起される)のことであり、機械刺激を検出し変換する能力に依存する。ヒトや動物に、周辺環境に関する重大な情報を提供し、社会生活を送るうえで重要かつ必要となる感覚であるが、その基礎をなす分子・神経メカニズムは、十分に解明されていなかった。研究グループは、マウスモデルで機械知覚に必須であることが示されたストレッチ依存性イオンチャネルPIEZO2に着目し、ヒトにおける役割を調べた。NEJM誌2016年10月6日号(オンライン版2016年9月21日号)掲載の報告。