神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:133

原因不明の失神と最新のICMデバイス

 日本メドトロニック株式会社から低侵襲の植え込み型心臓モニタReveal LINQ(リビール リンク)が2016年9月発売された。この機器は、体積比で従来品から87%小型化しており、皮下挿入型長時間心電計(以下、ICM)ともいわれる。原因が特定できない失神と潜在性脳梗塞の診断に適応を持ち、胸部皮下に挿入することで最長3年間の持続的な心電図モニタリングが可能である。また、データの自動的送信機能により遠隔からでも医師がイベントを確認できる。Reveal LINQの発売にあたり開催されたメディアセミナーにて「失神診療への貢献が期待される皮下挿入型心電計」と題し、産業医科大学 不整脈先端治療学 安部治彦氏が講演した。

認知症リスクが高い飲酒量、低い飲酒量

 軽~中等度の飲酒は認知症を予防できるが、過度の飲酒はむしろリスクを増加させる可能性があると考えられている。しかし、これらの知見については研究方法がさまざまであることや標準的定義がないことから、解釈には慎重を要する。今回、中国海洋大学のWei Xu氏らが前向き試験のメタ解析で、アルコール摂取量と認知症リスクとの量-反応関係を検討したところ、1日当たりのアルコール摂取量が12.5g以下であればリスク低下と関連し、6gで最もリスクが低く、38g以上ではリスクが高まる可能性を報告した。European journal of epidemiology誌オンライン版2017年1月17日号に掲載。

摂食障害の重症度把握と診断ツールを検証

 夜間摂食症候群(night eating syndrome:NES)は、一般的に重症度尺度である夜間摂食アンケート(Night Eating Questionnaire:NEQ)を用いて評価するが、これはすべての診断基準を評価するものではない。また、夜間栄養診断アンケート(Night Eating Diagnostic Questionnaire:NEDQ)は、すべての診断基準を評価することができるが、完全に検証されたわけではない。米国・ワグナー大学のLaurence J Nolan氏らは、NEQおよびNEDQの妥当性を検証した。Appetite誌オンライン版2016年12月23日号の報告。

LG入りヨーグルトがアスピリン誘発小腸傷害を軽減

 アスピリン誘発小腸傷害に対するプロバイオティクスの効果はまだ十分に検討されていない。今回、東海大学の鈴木孝良氏らが実施したプラセボ対照二重盲検比較試験で、ラクトバチルスガセリOLL2716(LG)が、アスピリン誘発小腸傷害の軽減および消化管症状の緩和に有用であることが示された。Digestion誌2017年1月号に掲載。

片頭痛患者は術後脳卒中リスクが高い/BMJ

 片頭痛歴のある患者は周術期虚血性脳卒中リスクと30日再入院率が高いことが、米国・マサチューセッツ総合病院のFanny P Timm氏らによる検討の結果、明らかにされた。著者は、「片頭痛は、評価すべき周術期虚血性脳卒中のリスクと考えるべきだろう」とまとめている。先行研究で、片頭痛は虚血性脳卒中のリスク因子であることが、とくにそのリスクは、前兆を伴う片頭痛を有する患者で増大することが報告されていた。BMJ誌2017年1月10日号掲載の報告。

ストレスによる心血管疾患発症のメカニズムとは/Lancet

 扁桃体の活性化が心血管疾患の発症と関連し、活性化の増大は心血管疾患イベントの予測因子となる可能性があることが、米国・マサチューセッツ総合病院のAhmed Tawakol氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年1月11日号に掲載された。慢性的なストレスは心血管疾患の増加と関連し、その寄与リスクは他の主要な心血管リスク因子に匹敵するとされるが、ストレスが心血管イベントに転換するメカニズムはよくわかっていない。認知や情緒のような複雑な機能に関与する脳のネットワークが活性化すると、恐怖やストレスと典型的に関連するホルモン、自律神経系、行動の変容が引き起こされるが、扁桃体はこのネットワークの主要な構成要素と考えられている。

幹線道路の近くに住む人は認知症リスクが高い/Lancet

 幹線道路から<50mに住む人は、300m超離れた場所に住む人に比べ、認知症発症リスクが高く、幹線道路から離れるにつれて、同リスクの増加幅は有意に減少することが示された。一方、そうした関連は、パーキンソン病、多発性硬化症はみられなかったという。カナダ・Public Health OntarioのHong Chen氏らが住民ベースのコホート試験の結果、明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2017年1月4日号で発表した。