脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:117

ACS後のP2Y12阻害薬+低用量リバーロキサバンの安全性/Lancet

 急性冠症候群(ACS)患者に対する低用量経口抗凝固薬リバーロキサバンとP2Y12阻害薬との併用、すなわちデュアル・パスウェイ抗血栓療法は、従来のアスピリンとP2Y12阻害薬との併用(抗血小板薬2剤併用療法:DAPT)と比較し、臨床的に重大な出血リスクに差はないことが示された。米国・デューク大学医学部のE Magnus Ohman氏らが、P2Y12阻害薬との併用薬はアスピリンより低用量リバーロキサバンが安全かを検証したGEMINI-ACS-1試験の結果を報告した。ACS後のDAPTに第Xa因子阻害薬であるリバーロキサバンを追加すると、死亡と虚血イベントは減少するが、出血が増加する恐れがあることが示唆されている。しかし、アスピリンの代わりに低用量リバーロキサバンをP2Y12阻害薬と併用する抗血栓療法の安全性は、ACS患者でこれまで評価されていなかった。Lancet誌オンライン版2017年3月18日号掲載の報告。

チョコレート好きな人は脳卒中になりにくい!?

 チョコレート摂取は心臓血管に有益な効果をもたらす可能性があるが、前向きコホート研究でのエビデンスは少ない。今回、わが国の大規模コホート研究であるJPHC study(主任研究者:国立がん研究センター 津金昌一郎氏)において、チョコレート摂取と脳卒中リスクの関連を前向きに調査したところ、女性でのみ有意な逆相関を支持する結果が報告された。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月4日号に掲載。

リバーロキサバン、国内最大規模のリアルワールドエビデンス~日本循環器学会

 日本におけるリバーロキサバン(商品名:イグザレルト、バイエル薬品株式会社)の特定使用成績調査であるXAPASSの解析結果が、3月17~19日に金沢市で開催された第81回日本循環器学会学術集会にて発表された。本調査では脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制を目的にリバーロキサバンを投与された非弁膜症性心房細動患者、1万例超が2012年4月から約2年間に登録された。

冠動脈疾患と脳卒中における危険因子の違い

 冠動脈疾患(CHD)と脳卒中には共通のリスク因子があるが、CHDと脳卒中との関連の大きさや向きが異なる因子がある。藤田保健衛生大学の松永 眞章氏らは、アジア人におけるCHDと脳卒中による死亡において、各リスク因子による影響が異なるかどうかを、日本人の大規模コホート研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort)Studyで検討した。その結果、高血圧との関連は一致したが、喫煙や糖尿病など他のリスク因子については一致しなかった。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月6日号に掲載。

脳卒中発症AF患者の8割強、適切な抗凝固療法を受けず/JAMA

 抗血栓療法は心房細動患者の脳卒中を予防するが、地域診療では十分に活用されていないことも多いという。米国・デューク大学医療センターのYing Xian氏らPROSPER試験の研究グループは、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者約9万5,000例を調査し、脳卒中発症前に適切な経口抗凝固療法を受けていたのは16%に過ぎず、30%は抗血栓療法をまったく受けていない実態を明らかにした。JAMA誌2017年3月14日号掲載の報告。

日本人の心房細動患者に適した脳梗塞リスク評価~日本循環器学会

 日本人の非弁膜症性心房細動(AF)患者の心原性脳塞栓症リスク評価において、脳卒中の既往、高齢、高血圧、持続性心房細動、低BMIの5つの因子による層別化が、従来のCHADS2スコアやCHA2DS2-VAScスコアによる層別化よりリスク予測能が高いことが報告された。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援による、層別化指標の確立を目的とした共同研究であり、第81回日本循環器学会学術集会(3月17~19日、金沢市)のLate Breaking Cohort Studiesセッションで弘前大学の奥村 謙氏が発表した。

短期放射線+テモゾロミド、高齢膠芽腫患者の生存を延長/NEJM

 高齢の膠芽腫患者に対する短期放射線療法+テモゾロミドは、短期放射線療法単独と比較して生存期間を延長させることが、カナダ・オデットがんセンターのJames R Perry氏らによる、65歳以上の初発膠芽腫患者を対象とした第III相無作為化試験の結果、明らかになった。膠芽腫は高齢が予後不良因子となる。これまでの研究では、標準放射線療法(60Gy/6週間)+テモゾロミド追加投与により、70歳以下の患者で生存期間の延長が示されていた。一方、高齢患者には短期放射線療法が用いられることも少なくないが、短期放射線療法+テモゾロミド併用の有効性は不明であった。NEJM誌2017年3月16日号掲載の報告。

米国の心臓病・脳卒中・糖尿病死の5割が食事に問題/JAMA

 ナトリウムや多価不飽和脂肪酸、ナッツ類、砂糖入り飲料、赤身肉などの不適切量摂取が、心臓病や2型糖尿病といった心血管代謝疾患による死因の約45%を占めることが、米国成人を対象に行った大規模試験の国民健康・栄養調査(NHANES)の結果、明らかにされた。米国・タフツ大学のRenata Micha氏らによる検討で、JAMA誌2017年3月7日号で発表した。米国の個人レベルでの食事因子と特異的心臓病などとの関連については、これまで十分な検討は行われていなかった。