抗がん剤レゴラフェニブ、腎細胞癌に対する第II相臨床試験で、患者の81%に有効

提供元:ケアネット

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公開日:2009/10/01

 



独バイエル・シエーリング・ファーマ社は29日、有望な経口マルチキキナーゼ阻害剤レゴラフェニブ(regorafenib、BAY73-4506)の第II相臨床試験結果を発表した。同社の日本法人であるバイエル薬品が報告した。

試験結果によると、レゴラフェニブによる治療を受けた転移性腎細胞癌患者の31%で部分奏効(PR)、50%で病勢安定(SD)が示されたという。これらの試験結果は、第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)合同会議の口演発表で報告された。本試験の中間結果は、米フロリダ州オーランドで2009年の5月29日から6月2日まで開催された第45回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されていた。

本試験の解析結果によると、参加した患者(48人)の81%において、病勢安定(SD)あるいは腫瘍の縮小がみられたという。具体的には、31%の患者さん(15人)においては、RECIST評価(the Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:固形癌治療効果判定法)による部分奏効(PR)、50%の患者(24人)においては病勢安定(SD)がみられた。試験プロトコルで規定された試験終了時において、無増悪生存期間(PFS:progression-free survival)の中央値は、8.3ヵ月だった。試験結果の解析は、2009年5月31日に行われたが、あらかじめ試験プロトコルによって、解析のタイミングは、最後に登録された患者さんが少なくとも6ヵ月治療された時点と定められていた。解析時において、25人の患者が治療継続中であり、部分奏効(PR)が得られた患者の80%(15人中12人)において、効果が持続していた。解析時を過ぎてから、病勢安定(SD)と評価されていた患者のうち2人が、新たに部分奏効(PR)に移行し、合計35%(17人)の患者において、部分奏効(PR)が示されたとのこと。試験結果は引き続き、観察されるという。

詳細はプレスリリースへ
http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-09-29.html