敗血症が退院後のQOLにもたらす影響とは?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/09/05

 

 重症敗血症や敗血症性ショックは、長期生存率を低下させるだけでなくQOLに重大な悪影響を及ぼすことがブラジルの後ろ向き試験で明らかになった。Westphal GA氏らがRevista Panamericana de Salud Pública誌2012年6月号に報告した。

 本試験は、2005年8月から2007年11月の間に重症敗血症または敗血症性ショックにより入院した患者217例について、年齢が近く、最近の入院歴がない同地区住民と対照比較した。2009年6月から11月にかけて、Short-Form 36(SF-36)を用い、退院後のQOLに重症敗血症、敗血症性ショックがどのような影響を与えるのか検討している。

主な結果は以下のとおり

・217例中、生存し退院し得た患者は112例(51.6%)
・退院後の生存率は、180日後:41.02%、1年後:37.4%、1年半後:34.3%、2年後:32.3%
・SF-36の結果
  身体機能:59 ± 32 vs 91 ± 18; p < 0.001
  活力:48 ± 13 vs 59 ± 14; p< 0.008
  心の健康:48 ± 13 vs 59 ± 14; p < 0.03
  体の痛み:50 ± 26 vs 76 ± 16; p < 0.001
  全体的健康感:53 ± 18 vs 67 ± 13; p < 0.004
  日常生活役割機能(身体):67 ± 45 vs 85 ± 34; p < 0.05
  社会生活機能:70 ± 28 vs 90. ± 16; p < 0.05

上記のように、重症敗血症や敗血症性ショックの既往は、有意にこれらの項目を悪化させた。

(ケアネット 有田 衣里)