HPVワクチン接種を受けた少女と受けなかった少女について、その後3年間の性交渉に関連した受診動向について後ろ向きに比較した結果、接種群の複合アウトカムリスク(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)の増大は、認められなかったことが報告された。米国のHMOカイザーパーマネント南東部ヘルスリサーチセンターのBednarczyk RA氏らによる報告で、これまでHPVワクチン接種後の性交渉の変化について自己申告に基づくサーベイ調査はあったが、臨床的指標を用いた調査はこれが初めてだという。Pediatrics誌オンライン版2012年10月15日号の掲載報告。
大規模なマネジドケア組織からの長期的電子データを用い、後ろ向きコホート研究の手法にて、思春期に接種が推奨されているワクチン接種後の性交渉関連臨床アウトカムを評価した。
2006年7月~2007年12月の間にマネジドケア組織に登録された11~12歳の少女を、思春期ワクチン(4価HPVワクチン)接種の有無で分類。2012年12月31日まで3年間追跡し、アウトカム(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)について評価した。受診行動や人口統計学的特性について補正後、多変量ポアソン回帰分析にて発生率比率を推定比較した。
主な結果は以下のとおり。
・コホートには、1,398人の少女が組み込まれた(HPVワクチン接種者493人、非接種者905人)。
・複合アウトカムリスク(すべての妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)について、HPVワクチン接種群での有意な上昇はみられなかった。
・補正後発生率比は1.29(95%CI:0.92~1.80)、発生率差は1.6/100人・年(95%CI:-0.03~3.24)であった。
・クラミジア感染症に関する発生率差(0.06/100人・年、95%CI:-0.30~0.18)、妊娠診断に関する発生率差(0.07/100人・年、95%CI:-0.20~0.35)について、臨床的に意味ある絶対差はほとんど示されなかった。
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(ケアネット)