化粧品に含まれる防腐剤メチルイソチアゾリノンへのアレルギー患者が急増

提供元:ケアネット

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公開日:2013/01/10

 

 近年、化粧品やスキンケア製品などに防腐剤として使われるようになっているメチルイソチアゾリノン(MI)へのアレルギー反応を示す患者が急増していることが、ドイツ・エアランゲン・ニュルンベルク大学のJohannes Geier氏らにより報告された。MIとメチルクロロイソチアゾリノン(MCI)を合わせた感作頻度は、1998~2009年の間は常に約2.1%(ドイツIVDK統計)であったが、2011年に3.9%に増大したという。Contact Dermatitis誌2012年12月号(オンライン版2012年9月21日号)の掲載報告。

メチルイソチアゾリノン陽性患者の割合が43%から59%へ増大

 2011年にMCI/MIに対する感作頻度が増大した背景には、メチルイソチアゾリノンに対するアレルギー反応の報告頻度が2009年1.9%から2011年4.4%に上昇したという状況がある。化粧品などの防腐剤として使われるようになっているのはメチルイソチアゾリノンであり、研究グループは、発症増加の原因を疫学的に調査し、MCI/MIとメチルイソチアゾリノンに対するアレルギー反応について、2009~2011年のIVDKデータを後ろ向きに解析した。

 メチルイソチアゾリノンに対するアレルギー反応についての主な解析結果は以下のとおり。

・階層化データ解析により、MCI/MIとメチルイソチアゾリノンに対するアレルギー反応の顕著な増大が明らかになったのは、「女性」「顔の皮膚炎患者」「化粧品が合わないことが疑われ検査を受けた患者」であった。
・MCI/MIへの反応を示した患者のうちメチルイソチアゾリノン陽性であった患者の割合は、2009年の43%から2011年には59%へと増大していた。
・一次感作としてメチルイソチアゾリノンが増大したのは、消費者曝露の拡大によるものと思われ、その後、免疫学的交差反応によりMCI/MIに対する感作が増大したと思われた。
・著者は、「メチルイソチアゾリノンの最大使用濃度を減少することが望ましいようだ」「メチルイソチアゾリノンをパッチテストの基本対象に組み込むべきである」と提言している。

(ケアネット)