大腿骨転子部骨折に対するINTERTANの治療成績はsliding hip screwと類似

提供元:ケアネット

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公開日:2013/03/11

 

 大腿骨転子間・転子下骨折の治療では髄内釘またはsliding hip screwが用いられる。ノルウェー・ベルゲン大学ハウケランド病院のKjell Matre氏らは多施設前向き無作為化比較試験を行い、TRIGEN INTERTAN nail使用時の術後12ヵ月における疼痛、運動機能および再手術率はsliding hip screws使用時と類似していることを示した。The Journal of Bone & Joint Surgery誌2013年2月6日号の掲載報告。

 本研究は、転子間・転子下骨折患者に対するTRIGEN INTERTAN nailの使用がsliding hip screw(SHS)使用時と比較して術後疼痛を軽減し、運動機能を改善させ、外科合併症の発生率を減少させるかどうかを評価することが目的であった。

 転子間・転子下骨折高齢患者684例をINTERTAN群またはSHS群に無作為化し、入院中、術後3ヵ月および12ヵ月に疼痛(視覚アナログ尺度;VAS)、運動機能(Timed Up & Go Test)、股関節機能(Harris hip score)、QOL(EuroQol-5D;EQ-5D)を評価した。X線所見ならびに術中・術後合併症についても記録・分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・INTERTAN群において術後早期の動作時疼痛VASスコアがわずかに低かったが(48対52、p = 0.042)、入院期間への影響はなく、術後3ヵ月および12ヵ月では両群に差はみられなかった。
・骨折およびインプラントのタイプにかかわらず、術後3ヵ月および12ヵ月における運動機能、股関節機能、患者満足度およびQOLは、両群で類似していた。
・術後の外科的合併症の発生は両群で同程度であった。(INTERTAN群32例、SHS群29例、p=0.67)。

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(ケアネット)