有酸素運動が喘息における白血球を不活性化

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/29

 

 アレルギー性喘息のマウスモデルにおいて、有酸素運動が気管支周辺の白血球を不活性化し、気道炎症やTh2反応を抑制することが、ブラジル・サンパウロのNove de Julho大学のRicardo P. Vieira氏らにより報告された。International Journal of Sports Medicine誌オンライン版2013年11月20日の掲載報告。

 白血球は喘息の生理病態学において中心的な役割を果たしており、有酸素運動が喘息により気道に集まる白血球を減少させることが知られている。しかしながら、喘息における白血球活性に対する有酸素運動の効果については、明らかになっていない部分もある。

 そこで、気道炎症、肺や全身のTh2サイトカインレベル、炎症促進性・抗炎症性の白血球発現、線維化促進性のメディエーター、酸化体や抗酸化メディエーターに対する有酸素運動の効果を4週にわたり、喘息のマウスによる実験で調査した。

 主な結果は以下のとおり。

有酸素運動は
・気管支肺胞洗浄液中のIL-4、IL-5、IL-13と血清中のIL-5を有意に減少させた(それぞれ、p<0.001)。
・気管支肺胞洗浄液中と血清中のIL-10を有意に増加させた(p<0.001)。
・白血球の活性化を抑制し、下記項目を有意に減少させた。
  Th2サイトカイン(IL-4, IL-5, IL-13; p<0.001)
  ケモカイン(CCL5, CCL10; p<0.001)
  接着分子(VCAM-1, ICAM-1; p<0.05)
  活性酸素種、活性窒素種(GP91phox and 3-nitrotyrosine; p<0.001)
  誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS; p<0.001)
  核内因子kB (NF-kB; p<0.001)
・抗炎症サイトカインであるIL-10の発現を有意に増加させた(p<0.001)。
・増殖因子の発現を減少させた(TGF-beta, IGF-1, VEGF and EGFr; p<0.001)。

(ケアネット 鎌滝 真次)