新たなアルツハイマー病薬へ、天然アルカロイドに脚光

提供元:ケアネット

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公開日:2013/12/25

 

 現在、アルツハイマー病(AD)に適用される主な薬理学的ストラテジーは、アセチルコリンの主要な分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)の阻害である。このような観点から、フィゾスチグミンのような天然アルカロイドが多数分離され、AChEおよびブチリルコリンエステラーゼ(BChE)阻害薬として従来から知られてきた。そして、AD患者の治療薬としてガランタミンが認可されて以降、抗コリンエステラーゼ作用をもつ新たなアルカロイドの探索が進み、huperzine Aなどの有望な候補物質の発見につながっている。ブラジルのリオ・グランデ・ド・スール連邦大学のEduardo Luis Konrath氏らは、ADの治療薬として抗コリンエステラーゼ作用を有する新たなアルカロイドの探索状況を報告した。構造活性相関ならびに物理化学的特性の面から、天然アルカロイドが良い候補物質へつながる可能性があることを示唆している。Journal of Pharmacy and Pharmacology誌2013年12月号の掲載報告。
 
 本レビューは、AChE阻害薬およびBChE阻害薬としてのアルカロイドについて、構造活性相関(SAR)とコンピュータ上で仮想的に行われるドッキングスタディに着目した最近の進歩を概観している。

 主な知見は以下のとおり。

・ステロイド/トリテルペノイド、キノリジジン、イソキノリンおよびインドール類に属する天然アルカロイドは、主にツゲ科、ヒガンバナ科、ヒカゲノカズラ科に分布しており、酵素阻害作用を有する重要なアルカロイド源だと考えられた。
・分子モデルを用いて数種の活性化合物について構造活性相関の可能性を検討したところ、酵素の活性化部位におけるアミノ酸残基と分子との相互作用を予測できた。
・新しいコリンエステラーゼ阻害薬の開発において、アルカロイドに化学的に優れた性質を与え、強力で効果的な誘導体を得ることに関心が高まっている。
・アルカロイドの抗コリンエステラーゼ活性は、その構造の多様性ならびに物理化学的特性とともに、AD治療薬の良い候補物質へとつながる可能性が示唆された。

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(ケアネット)