米国住民の7.6%が食物アレルギー

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/20

 

 米国・マウントサイナイ医科大学のScott H. Sicherer氏らは、アレルギー性皮膚疾患とアナフィラキシーに関する最新の研究進捗状況を、2013年に発表された報告を基に概観した。食物アレルギーの研究から、米国住民の7.6%がその影響を受けていることが明らかになったこと、またアトピー性皮膚炎については、表皮細胞の分化における遺伝子や免疫メディエーターの欠損が重症度と関連していることが明らかになるなどの成果がみられたことを報告している。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌2014年2月号(オンライン版2013年12月27日号)の掲載報告。

 Sicherer氏らは本レビューにおいて、アナフィラキシー(食物、薬物、昆虫に対する過敏反応)およびアレルギー性皮膚疾患研究の進捗状況を明らかにすることを目的とした。2013年に雑誌に発表された論文をレビューした。

 主な内容は以下のとおり。

・食物アレルギーに関する研究によって以下の7点が示唆された。
(1)米国住民の7.6%が食物アレルギーをもっている。
(2)“ヘルシー”な朝食は食物アレルギーを予防する可能性がある。
(3)皮膚は重要な感作ルートの可能性がある。
(4)アレルゲン成分テストは、診断に役立つ可能性がある。
(5)牛乳アレルギーは、早めの検査により予測できる可能性がある。
(6)経口あるいは舌下免疫療法は、有望であるが注意も必要である。
(7)プレ臨床研究により免疫療法と減感作の有望な代替法が示唆された。
・好酸球性食道炎の研究において、成人における結合組織疾患との関連および食事管理が治療に影響を与えることが示唆された。
・アナフィラキシー重症度マーカーが明らかになり、潜在的な診断および治療ターゲットが判明する可能性が示唆された。
・薬物、昆虫アレルギーの血清検査における洞察が、診断の改善に結びつく可能性が示唆された。
・アトピー性皮膚炎の重症度に、表皮細胞の遺伝子および免疫メディエーターの欠損が関与していることが示唆された。

(ケアネット)