小児期早期のてんかん転倒発作、特徴が判明:東京女子医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/05/02 東京女子医科大学の小国 弘量氏らは、小児期早期の症候性てんかんにおける転倒発作(epileptic drop attack:EDA)について、ミオクロニー失立発作(myoclonic-astatic epilepsy:MAE)との違いを明らかにする検討を行った。その結果、EDAは屈曲側でてんかん性スパスムス(ES)が起きる頻度が最も多く、MAEでみられるような典型的なけいれんの発生はまれであることを明らかにした。今回の所見を踏まえて著者は「臨床では、脳波所見でみられる棘徐波複合の周期的、限局的あるいは多巣性の発現が、ESによるEDAであることを示唆する可能性がある」とまとめている。Brain and Development誌オンライン版2014年4月11日号の掲載報告。 研究グループは、小児期の症候性てんかんにおけるEDAとMAEの違いを明らかにするため、ビデオポリグラフ試験の記録について、両者それぞれの人口統計学的データとともに比較検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、月齢7ヵ月~6歳までの間に症候性てんかんを有した21例と、EDAと記録され特発性MAEを有した20例であった。 ・ビデオポリグラフ試験でEDAが記録されたのは、症候性てんかん児においては総計188件(中央値8件)、特発性MAE児では182件(中央値7件)であった。 ・EDAが記録された症候性てんかん児における、EDAの発生はESによるものであった。そのうち15例の患者では、二相性の緩徐な弧を描く鋭徐波複合、あるいはフラットな背景脳波活動がみられ、4例において、atoticな発作に特徴的な棘徐波複合が、残り2例においてミオクロニー失立発作がみられた。 ・ESでのEDA発生は、15例のうち8例で周期的なものであった。また脳波検査において、限局性、多巣性、不規則多発性な棘徐波複合が判明した。 ・16例のMAE患者では、典型的な発作がみられたが、残り4例では、ミオクロニー屈曲発作がみられた。後者はいずれも、高振幅棘波あるいは多発棘波複合が単独でみられた。 関連医療ニュース てんかんの原因遺伝子発見により臨床にどのような変化が起こったか 扁桃体腫大を伴う側頭葉てんかんの特徴は:国立精神・神経医療研究センター 小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用 (ケアネット) 原著論文はこちら Itoh Y, et al. Brain Dev. 2014 Apr 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性脳梗塞、再灌流後のtenecteplase動注は有益か/JAMA(2025/01/23) 妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA(2025/01/23) 透析中の骨粗鬆症患者へのデノスマブは心血管イベントリスクを上げる可能性/京都大(2025/01/23) MASLD患者の転帰、発症リスクに性差(2025/01/23) 25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/23) タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?(2025/01/23) 米アルツハイマー病協会が新たな診療ガイドラインを作成(2025/01/23) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) こどものみかた<下巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~(2013/07/08) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) こどものみかた<上巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~(2013/06/24)