GABAA受容体修正にアリール・ピラゾール誘導体 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/07/03 イタリア・チッタデッラ大学のMaria Paola Mascia氏らは、異なる分子構造(柔軟vs.制約的)で特徴づけられ、リモナバントやAM251と化学的結びつきのある複数のアリール・ピラゾール誘導体について、GABAA受容体機能の修正能力を調べた。結果、その構造特性により、GABAA受容体で異なる活性を示すことが明らかにされた。2014年6月15日号(オンライン版2014年4月1日号)の掲載報告。 研究グループはアフリカツメガエルの卵母細胞を用いて、複数のアリール・ピラゾール誘導体の組換え型α1β2γ2LGABAA受容体機能を修正する能力を調べた。2電極電圧クランプ法を用いて、6Bio-R、14Bio-R、NESS 0327、GP1aとGP2a(0.3~30μM)の影響について評価が行われた。 主な結果は以下のとおり。 ・6Bio-R、14Bio-Rは、GABA誘発Cl-電流を強化した。 ・NESS 0327、GP1aとGP2aは、GABAA受容体機能に影響を及ぼさなかったが、6Bio-Rに対して拮抗作用を有した。さらにNESS 0327は、リモナバントによって引き起こされるGABAA受容体機能の強化を阻害した。 ・ベンゾジアゼピン結合部は、これら合成物の活性に関与するように思われた。 ・たとえば、フルマゼニルは6Bio-Rによって引き起こされるGABAA受容体機能の強化を拮抗させた。NESS 0327はロラゼパム、ゾルピデムの活性を低下させたが、その一方で、“典型的”なGABA作動性修飾物質(プロパノール、麻酔薬、バルビツール、ステロイド)の活性を拮抗させなかった。 ・α1β2受容体において6Bio-RはGABA作動性機能を強化したが、フルマゼニルは、6Bio-Rにより引き起こされる活性を拮抗することが可能であった。 ・GABAA受容体でのアリール・ピラゾール誘導体の活性は、それらの分子構造に依存する。これらの合成物は、αβγ結合部位、γサブユニットを伴わないα/β部位の両部位に結合しており、抗けいれん効果を有する可能性がある薬剤構造の提供につながる可能性がある。 関連医療ニュース 統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子を示唆:名古屋大学 抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学 統合失調症、双極性障害で新たに注目される「アデノシン作用」 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Mascia MP, et al. Eur J Pharmacol. 2014; 733: 1-6. Epub 2014 Apr 1. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<上巻>(2012/12/01) マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<下巻>(2012/12/01)