統合失調症患者の認知機能低下への関連因子は

カナダ・Institut Universitaire en Sante Mentale de MontrealのStephane Potvin氏らは、統合失調症にみられる認知機能低下に関わる因子について検討を行った。その結果、陰性症状および年齢や性別などの社会人口統計学的特徴が認知パフォーマンスと関連していること、抗精神病薬に誘発されるパーキンソニズムが作業記憶に関連していることを報告した。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2014年6月13日号の掲載報告。
統合失調症における著しい認知機能低下、およびそれが患者の社会的・職業的機能に及ぼす影響、そして抗精神病薬に誘発される錐体外路症状が統合失調症の認知機能に及ぼす影響については十分に理解されていない。本研究では、統合失調症患者の認知能力を予測する臨床的、社会人口統計学的および神経学的因子を特定するため、検討を行った。統合失調症スペクトラム(DSM-IV分類)の外来患者82例を登録し、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、統合失調症に関するカルガリーうつ病尺度(CDSS)により精神症状を評価した。また、錐体外路症状評価尺度(ESRS)により錐体外路症状を、ケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)により空間作業記憶、プランニング能力、視覚的対連合学習を評価し、ストループ検査も実施。多変量階層線形回帰解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・統合失調症の陰性症状は、認知的柔軟性、プランニング、視覚的学習および作業記憶と関連していた。
・年齢、性別、入院回数および抗精神病薬の種類も有意な予測因子であった。
・さらに、抗精神病薬に誘発されるパーキンソニズムと作業記憶が有意に関連していた。
・統合失調症の陰性症状と社会人口統計学的特徴が認知パフォーマンスを予測するという事実は、過去の文献と一致していた。
・結果を踏まえて著者は「作業記憶障害は統合失調症の中間表現型と考えられており、患者の社会的および職業的機能を損なうことが知られているため、パーキンソニズムと作業記憶との関連は臨床的意義のある知見と思われる」とまとめている。
・また今回の結果については「より大規模な患者集団を用いた長期研究により、追試する必要がある」と指摘している。
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(ケアネット)
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