睡眠時持続性棘徐波への対処は

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/21

 

 現在のところ睡眠時持続性棘徐波(CSWS)の治療に関して、エビデンスに基づくアプローチは文献で明らかにされていない。米国ハーバード・メディカル・スクールのIvan Sanchez Fernandez氏らは、CSWSの治療選択について、アメリカてんかん学会(AES)の会員を対象にアンケート調査を実施した。その結果、約8割が「顕著な睡眠-増強てんかん様活動に対して治療を行うべき」と回答し、第1選択薬として最も多く挙げられたのは高用量ベンゾジアゼピン(47%)で、次いでバルプロ酸(26%)、コルチコステロイド(15%)であったという。Epilepsia誌オンライン版2014年6月10日号の掲載報告。

 本研究の目的は、北米のCSWS患者のケアにおける臨床医の治療選択を明らかにすることであった。CSWSに対する治療選択に関する24の質問からなる調査票をAESの会員に配布。調査票には臨床例を提示し、それに対する治療選択を問いかけた。自己記入方式を用いた、ウェブサイトによるオンライン調査とした。

 主な結果は以下のとおり。

・232例が質問票に全回答した。
・顕著な波睡眠-増強に対し、「治療は妥当である」と回答したのは81%であった。
・波睡眠-増強に対する有効な治療中に認知機能改善を認めた患者の割合について、「>75%」と回答した者が16%、「25~75%」が52%、「25%未満」が20%、そして「認知機能の変化なしまたは不明」とした者が12%であった。
・睡眠-増強てんかん様活動の軽減に対する第1選択薬として挙げられたのは、高用量ベンゾジアゼピン(47%)、バルプロ酸(26%)、コルチコステロイド (15%)であった。
・第2選択薬は、バルプロ酸(26%)、高用量ベンゾジアゼピン (24%)、コルチコステロイド(23%)であった。
・高用量ベンゾジアゼピンとしての選択が多かったのは、ジアゼパム1mg/kg夜1回、以降0.5mg/kg/日であった。
・バルプロ酸の用量で選択が多かったのは、30~49mg/kg/日であった。
・同じくコルチコステロイドは、経口プレドニゾン2mg/kg/日であった。
・最も一般的な有効性のエンドポイントは、多い順に、脳波(EEG)におけるてんかん様活動の反応性、認知機能、発作の減少であった。
・回答者らの習熟度および臨床経験はさまざまであったが、本研究で得られた結果には一貫性がみられた。
・神経科医の中でも扱う患者が小児または成人かで、方針および治療アプローチに相違がみられた。
・大半の臨床医が、顕著な睡眠-増強てんかん様活動は治療すべきだと考えていた。最良の治療について見解の一致は得られていないが、高用量ベンゾジアゼピン、バルプロ酸、レベチラセタムおよびコルチコステロイドなどは有望な候補となることが示された。

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(ケアネット)