長期抗精神病薬曝露は記憶にどう影響するか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/08/04 統合失調症における長期的な抗精神病薬投与と認知機能の推移との関連は、明らかになっていない。フィンランド・オウル大学のAnja P Husa氏らは、9年間のフォローアップ期間における言語学習や記憶の変化と生涯累積抗精神病薬投与量との関連を分析した。本研究は、同関連について長期にわたり自然的に追跡した初の報告となる。Schizophrenia research誌オンライン版2014年7月15日号の報告。 1966年のフィンランド北部出生コホートから、統合失調症患者40例とコントロール群73例を抽出し、34歳と43歳の時点でのカリフォルニア言語学習テスト(CVLT)により評価した。生涯抗精神病薬の投与量に関するデータは、クロルプロマジン換算で収集した。抗精神病薬の年間投与量とベースラインのパフォーマンスやCVLT変化との関連は、ベースラインのパフォーマンス、性別、発症年齢、重症度をコントロールし、分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースラインまでの抗精神病薬年間投与量が多い群では、言語学習と記憶のいくつかの項目で、ベースラインにおける低パフォーマンスと有意に関連していた。また、フォローアップ期間中に短期遅延自由再生において大きく低下した(p=0.031)。 ・フォローアップ期間中の抗精神病薬年間投与量が多い群では、フォローアップ期間中の1~5試験における即時自由再生の大幅な低下と関連していた(p=0.039)。 ・コントロール群と比較して、高用量群のCVLT変数は大きな低下が見られたが、低用量群では認められなかった。 以上の結果より、著者らは「抗精神病薬の高用量使用は、統合失調症患者の言語学習や記憶の低下と関連付けられた。このことから、一般的に抗精神病薬が認知機能低下を予防したり認知機能回復を促進したりするとは言えない」とした。 関連医療ニュース 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か 統合失調症患者の認知機能低下への関連因子は 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Husa AP, et al. Schizophr Res. 2014 Jul 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] FDAへの医療機器メーカーの有害事象報告、3分の1が遅延/BMJ(2025/04/04) フィネレノン、2型DMを有するHFmrEF/HFpEFにも有効(FINEARTS-HFサブ解析)/日本循環器学会(2025/04/04) 急性GVHDとICANSに対する新たな診断法の開発/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/04) 市中肺炎へのセフトリアキソン、1g1日2回vs.2g1日1回~日本の前向きコホート(2025/04/04) 抗精神病薬の血中濃度、年齢や性別の影響が最も大きい薬剤は(2025/04/04) 遺伝性消化管腫瘍診療に対する多施設ネットワークの試み/日本臨床腫瘍学会(2025/04/04) 幹細胞治療が角膜の不可逆的な損傷を修復(2025/04/04) 普通車と軽自動車、どちらが安全?(2025/04/04) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)