英国・クイーンズ大学ベルファストのChris R Cardwell氏らは、大規模な大腸がん患者のコホートにおいて、大腸がん診断後のスタチン使用が大腸がん特異的死亡リスクを低下させるかどうかを調査した。その結果、大腸がん診断後のスタチン使用が生存期間延長に関連することが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年8月4日号に掲載。
著者らは、National Cancer Data Repository(英国のがん登録データ)から、1998年~2009年に新たにステージI~III大腸がんと診断された患者7,657例を同定した。さらにこのコホートを、処方箋記録を提供する臨床試験研究データベースと国家統計局の死亡データ(2012年まで)に結合し、大腸がん特異的死亡1,647例を同定した。なお、診断後のスタチン使用によるがん特異的死亡のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)の算出、および潜在的交絡因子に対するHRの調整のために、時間依存Cox回帰モデルを使用した。
主な結果は以下のとおり。
・大腸がん診断後のスタチン使用は、大腸がん特異的死亡率減少と関連していた(完全調整HR:0.71、95%CI:0.61~0.84)。
・スタチン使用量と大腸がん特異的死亡率に関連が認められ、1年以上のスタチンを使用している大腸がん患者では、より顕著な減少が認められた(調整HR:0.64、95%CI:0.53~0.79)。
・大腸がん診断後のスタチン使用患者において、全死因死亡率の減少が認められた(完全調整HR:0.75、95%CI:0.66~0.84)。
(ケアネット 金沢 浩子)