どの尺度が最適か、てんかん患者のうつ病検出 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/09/17 てんかん患者のうつ病併発検出には、一般的なスクリーニングツールが用いられているが、現在使用されている尺度について、ゴールドスタンダードによる検証は行われていなかった。カナダ・カルガリー大学のKirsten M. Fiest氏らは、てんかん患者のうつ病併発を見つけるために一般的に用いられている3つのスクリーニング尺度について、検証と新たなカットポイント値の評価を行った。結果、感度が最も高かったのは、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)、特異度が最も高かったのはPatient Health Questionnaire(PHQ)-9であったことなどを報告した。Epilepsia誌オンライン版2014年8月28日号の掲載報告。 研究グループは、大都市のてんかん専門クリニックで300例を対象に、質問調査(社会人口統計、有害事象プロファイル)と、3つのうつ病スクリーニングツール(HADS、PHQ-9、PHQ-2)による評価を行った。うつ病評価のためのゴールドスタンダードの構造化臨床面接には、185例が参加。うつ病尺度の診断精度について、種々のスコアリングカット値とうつ病診断のゴールドスタンダードとを比較評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・本集団におけるうつ病有病率は、ゴールドスタンダードでは14.6%であった。 ・最も感度が高かったのはHADSのカット値6による尺度であった(84.6%)。最も特異度が高かったのは、PHQ-9によるアルゴリズム評価においてであった。 ・全体的に、PHQ-9のカット値9と、HADSのカット値7が、感度と特異度のバランスが最も良かった(AUCはそれぞれ88%、90%)。 ・スクリーニング目的には、PHQ-9アルゴリズム評価が理想的である(特異度が最適)。一方で、症例を見つけるにはHADSのカット値6が最良であった(感度が最適)。 ・これらを踏まえて著者は、「適切な尺度のカット値は、試験目的と入手したリソースに基づき選ぶことが必要である」とまとめている。 関連医療ニュース てんかん患者のうつ病有病率は高い てんかんを持つ人のうつ病発症を理解することが急務 うつ病診断は、DSM-5+リスク因子で精度向上 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Fiest KM, et al. Epilepsia. 2014 Aug 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<上巻>(2012/12/01) マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<下巻>(2012/12/01)