認知症のBPSD改善に耳ツボ指圧が効果的 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/10/28 認知症治療におけるマッサージ療法は、各種症状の軽減に有用であると報告されている。スペイン・エストレマドゥーラ大学のJuan Rodriguez-Mansilla氏らは、認知症高齢者の疼痛、不安、抑うつ症状に対する、耳の指圧やマッサージの効果を評価した。Clinical rehabilitation誌オンライン版2014年10月16日号の報告。 対象はエストレマドゥーラ州のグループホームに入所している認知症高齢者120例。無作為に対照群、耳指圧介入群(耳ツボ指圧治療)、マッサージ療法群(マッサージによりリラックス)の3群に割り付けた。疼痛、不安、抑うつ症状の変化はDoloplus2、Cornell、Campbellの尺度で評価した。研究期間は治療介入期3ヵ月、フォローアップ期2ヵ月の計5ヵ月とした。評価は、ベースラインおよび毎月行った。統計分析では、3群間で比較を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・111例が試験を完遂した(67~91歳、86例[77.4%]が女性)。 ・耳指圧介入群では、治療介入期およびフォローアップ1ヵ月において、マッサージ療法群と比較して疼痛と抑うつ症状のより高い改善効果が認められた。 ・痛みの改善効果が最大だったのは、耳指圧介入の最終月(3ヵ月目)であった(p<0.001、平均改善:8.55[4.39]、95%CI:7.14~9.95)。 ・不安症状の改善効果が最大だったのも、治療の最終月であった(平均改善:9.63[5.00]、95%CI:8.02~11.23)。 ・耳指圧介入やマッサージ療法は、対照群と比較し、疼痛、不安、抑うつ症状に対し、良好な改善効果を示した。とくに、耳指圧介入はより高い改善効果が認められた。 関連医療ニュース 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット 認知症の精神症状、さらなる評価が必要 認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Rodriguez-Mansilla J, et al. Clin Rehabil. 2014 Oct 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) Dr. 倉原の“おどろき”医学論文(2013/08/21) アリスミアのツボ(2014/09/01) 産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」 (2014/10/08) 今こそメディカルコーチング -院内をワクワクに変える手法(2014/06/18) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014) ~改訂のポイント~(2014/04/30) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 『高血圧治療ガイドライン2014』 発刊(2014/04/01)