精神科病棟への長期入院の予測因子は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/11/26 老年精神科の病床数は限られている。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、高齢者の精神科病院の入院期間の予測因子を明らかにするため検討を行った。その結果、入院期間は概して入院時の臨床特性により予測されることが明らかになった。長期入院の予測因子は、無能力、陽性症状が認められることであり、認知症は長期入院の予測因子ではなかったという。International Psychogeriatrics誌オンライン版2014年10月21日号の掲載報告。 研究グループは、2005~2010年における大都市の精神科病院の入院および退院データをレトロスペクティブに分析した。人口統計学的および臨床情報(入院72時間以内)を集約し、resident assessment instrument - mental health(RAI-MH)を用いて評価し、認知症と非認知症の高齢患者の比較を行った。なお入院期間の予測因子は、一連の一般線形モデルを用いて確認した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、認知症高齢患者169例、非認知症高齢患者308例であった。 ・本検討集団において、認知症の診断は長期入院の予測因子ではなかった。 ・内科併存疾患が複数あることは、入院期間と逆相関の関連性を示した。すなわち、併存疾患が多いほど入院期間は短く、また非認知症高齢者よりも認知症高齢者のほうが短かった。 ・認知症の有無にかかわらず、無能力および陽性症状は、長期入院の予測因子であった。 ・一方、入院時の疼痛は、短期入院の予測因子であった。 関連医療ニュース 入院期間の長い認知症患者の特徴は?:大阪大学 日本の統合失調症入院患者は低栄養状態:新潟大学 統合失調症入院高齢患者、アジアでの多剤併用率は50%以上 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Ismail Z, et al. Int Psychogeriatr. 2014 Oct 21:1-9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] MI後のスピロノラクトンの日常的使用は有益か?/NEJM(2024/11/29) チルゼパチドのHFpEFを有する肥満患者への有効性/NEJM(2024/11/29) 患者はどう考えている?前立腺がんの治療選択/AZ(2024/11/29) 高齢者が健康長寿でいられるBMIは22.5~23.5/早大ほか(2024/11/29) セマグルチド2.4mg、MASHで有意な改善示す(ESSENCE)/ノボ ノルディスク(2024/11/29) 鼻腔ぬぐい液検査でCOVID-19の重症度を予測できる?(2024/11/29) コロナ禍を経て高知県民の飲酒行動が変わった?(2024/11/29) 双極症I型に対するアリピプラゾール月1回投与〜52週間ランダム化試験の事後分析(2024/11/29) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01)