うつ病患者で重要な食事指導のポイント 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/01/09 うつ病や不安症の発症にライフスタイル要因が関与していることを支持するエビデンスが発表され、これら疾患の治療では非薬理学的アプローチの重要性が増している。観察研究によると、習慣的な食生活の質とうつ病との関連が示唆されている。とはいえ、食生活がメンタルヘルスのアウトカムに影響を及ぼす原因についてはあまり知られていない。オーストラリア、ラ・トローブ大学のRachelle S Opie氏らは、うつ病や不安症に対する食事介入療法の成功プログラムの特性を明らかにするため、ランダム化比較試験の系統的レビューを実施した。Public health nutrition誌オンライン版2014年12月3日号の報告。 Cochrane、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、PubMed、PyscInfoのデータベースから、1971年4月~2014年3月に掲載された論文を抽出した。 主な結果は以下のとおり。 ・特定された1,274報のうち、17報が適格基準を満たしていた。 ・うつ病に対する成果は17報すべてで報告され、不安症や総合感情障害指標(total mood disturbance)については10報で報告されていた。 ・食事介入療法群はコントロール群と比較して、ほぼ半分(47%)の研究でうつ病スコアに対する有意な効果が認められたが、残りの半分は無効であった。 ・効果的な食事介入療法は、1品ずつの配膳(single delivery mode)、栄養士の起用を基盤としており、赤肉(red meat)の摂取を控えるような推奨や、低脂肪肉製品の選択、低コレステロール食を順守するような介入である傾向は低かった。 結果を踏まえ著者らは、「異質性は高かったが、食事介入療法によるうつ病のアウトカム改善に関するいくつかのエビデンスを発見することができた。しかしながら、臨床的うつ病患者での食事介入療法の影響を調べた研究は1つだけであり、今後メンタルヘルスアウトカムに対する栄養改善の効果に関する臨床的なトライアルが必要である」とまとめている。 関連医療ニュース 食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 1日1杯のワインがうつ病を予防 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Opie RS, et al. Public Health Nutr. 2014 Dec 3:1-20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 うつ病治療と食事パターン 医療一般(2018/10/23) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 出産女性へのトラネキサム酸予防投与、出血リスクを軽減/Lancet(2024/11/08) 無症候性重症AS、早期TAVR vs.経過観察/NEJM(2024/11/08) 早期初潮がうつ病と関連〜メタ解析(2024/11/08) 運動しても血圧が低下しない人とは?(2024/11/08) MET exon14スキッピングNSCLC、グマロンチニブの日本人データ(GLORY)/日本肺癌学会(2024/11/08) 乳がん薬物療法の最新トピックス/日本癌治療学会(2024/11/08) 次世代のCAR-T細胞療法―治療効果を上げるための新たなアプローチ/日本血液学会(2024/11/08) 大半の米国人が睡眠不足で日中の眠気に悩まされている(2024/11/08) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)